▼01 【政調費疑惑】
販売記録なき領収書 「みらい福岡」説明つかず
郵便局側も説明拒否
▼02 国交省、福岡空港代表案を提示
新設「三苫・新宮ゾーンの陸側」
増設「最安の西側210メートル」
▼03 「市税収入向上アクションプラン」はいいけれど(中)
▼01 【政調費疑惑】
販売記録なき領収書 「みらい福岡」説明つかず
郵便局側も説明拒否
説明責任果たせない「みらい福岡」・・・人工島議論の資格なし
福岡市議会の保守系会派「みらい福岡」が、07年3月12日に購入した郵便切手885,000円分。「福岡愛宕郵便局」の領収書は残っているものの、郵便局側の販売管理簿である「郵便日計簿」の当日の記録には該当する切手の販売記録はない。
この点について取材班は、「みらい福岡」の経理責任者とされている国分徳彦市議に話を聞いた。「政務調査費に関しては裁判中でもあり答えられない」としたが、郵便局の切手については、「はじめて知った。分からない」といった趣旨の回答しかもらえなかった。「政治には金がかかる」とも発言していたが、税金の不適切な使用は次元が違う問題であると指摘しておきたい。
公金支出のチェック役である市議に「説明できない政調費使用」があったとしたら、その時点で市議失格であろう。もちろん、不適切な公金支出をしていたなら、数百億もかかる人工島へのこども病院移転について議場で是非を問う資格もない。
郵便会社は組織的に隠蔽か?
それでは、切手は、実際に販売されたのか、領収書を発行した「福岡愛宕郵便局」の局長に話を聞くが、「広報を通してくれ」の一点張り。「この件については、かん口令が敷かれている」とまで言い出した。
その「郵便局株式会社」の広報に問い合わせると、「個別の業務内容なので答えられない」と言い、結局誰も答えなかった。その後、「日計簿はどういうものか」と単純な問い合わせをしたのだが、「ただのメモ」「使っていたのはずっと昔の話」などとその存在の意味さえ答えようとしない。質問をぶつけるたびに、相手方は明らかに不愉快そうな対応になった。
そもそも問題の日計簿は昨年のもので、「昔の話」ではない。広報の対応は、最初と二度目では明らかに違っている。二度目の取材に対しては、日計簿の存在を「まったく私的なメモ」として抹殺しようとしており、組織ぐるみで隠蔽に入ったとしか考えられない。他市の旧特定郵便局に聞いてみたが「郵便切手の管理は『日計簿』がすべてですよ。他になにが信用できますか」という証言も飛び出した。
日計簿の信憑性
昨日紹介したように、郵便日計簿はその日の郵便切手やはがきなどの販売枚数を細かくチェックしたうえ、担当者の印鑑まで捺してある。さらに、1ヶ月の間に上旬・中旬・下旬と3回のチェックをし、月間の最終確認まで行なっている。「メモ」では決してない。何より、「みらい福岡」による3月12日分を除く8回分の切手購入の領収書と、日計簿上の切手販売枚数は合致しているのである。
ちなみに、「みらい福岡」が「福岡愛宕郵便局」で購入した切手の領収書から、次の切手購入が確認される。
<*「各金額」には各領収書の画像、「郵便日計簿」には当日の記録を赤で記した画像が表示されます
【06年7月20日】
500,000円
300,000円
300,000円
300,000円
100,000円
合計1,500,000円 《郵便日計簿》
【07年1月22日】
500,000円
500,000円
合計1,000,000円 《郵便日計簿》
【同 2月15日】
500,000円
合計 500,000円 《郵便日計簿》
【同 3月12日】
885,000円
合計 885,000円 《郵便日計簿》
購入された切手は、すべて「50円切手」であると推測される。「郵便日計簿」による販売記録を確認すると、7月20日(この日の分は、日計簿上は翌日に記載されている)・30,166枚、1月22日・20,347枚、2月15日・10,726枚となっており、端数を一般客向けの販売枚数とすれば、枚数から考えて、販売された切手が「50円切手」ということになる。
実は、これを裏付ける証拠がもうひとつある。「福岡愛宕郵便局」での切手購入日には、別の場所で同じ金額の切手購入が行なわれていたのである。
つづく
【特別取材班】
▼02 国交省、福岡空港代表案を提示
新設「三苫・新宮ゾーンの陸側」
増設「最安の西側210メートル」
過密化対策で「現空港の滑走路増設」か「新空港建設」が焦点となっている福岡空港は、それぞれの案が1つずつに絞られた―。
国土交通省は7日、福岡空港総合的調査専門委員会で、それぞれの代表案を提示した。増設案はかさ上げする最も安い「西側210メートル案」。新空港建設案は「三苫・新宮ゾーン」の最も陸側の案が代表案となった。ただ、新空港建設案は、「志賀島・奈多ゾーン」の最も陸側の案も「甲乙つけがたい」として可能性を残した。
新空港建設案は、これまで「三苫・新宮ゾーン」の2案と「志賀島・奈多ゾーン」の4案があった。このうち、三苫・新宮ゾーンの平均水深12メートルに建設する案が代表案となった。水深が浅いため他と比べて建設コストが安く、西鉄貝塚線の活用で交通手段を整備しやすいことなどに利点があるというが、漁業補償や建設費、建設期間などが課題だ。
ただ新空港建設案は、「志賀島・奈多ゾーン」の平均水深13メートルの案も横風の影響などが発生しにくく、同専門委では「2案には甲乙つけがたい」「今後さらなる検討によって変更になる可能性もある」としている。
増設案で代表となった「西側210メートル案」は、現滑走路の西側210メートルに新滑走路を増設するもの。最も事業費が安いが、滑走路をかさ上げすることで、ほかの「東側300メートル案」「西側300メートル案」と同程度の処理容量が確保できるという。
福商会頭が新空港建設要望
同日、河部浩幸・福岡商工会議所会頭は福岡市役所を訪れ、吉田宏市長に新空港建設を要望。河部会頭が「24時間運行できて、アジアを見据えれば新空港が望ましい」と語ると、吉田市長は「重く受け止めたい。しっかり検討したい」と応じた。福商は常議員会で新空港を要望する方針を決め、麻生渡知事にも要望書を提出している。
また、新空港の代表案が提示されたことについて河部会頭は、「(新宮案と志賀島案の)優劣はつけられない。両案を調査、検討をしていただきたい」と述べた。ただ、国は増設案を有力視していると言われる。
【豊田伸】
▼03 「市税収入向上アクションプラン」はいいけれど(中)
「市税収入向上アクションプラン」はプラン単体としては妥当なものだろう。しかし、「財政再建」という大きな目標を見据えれば、収納率の向上と併せて、市税収入(法人市民税含む)そのもの、つまりパイを大きくする施策もセットで行う必要があるはずだ。
一応、包括的な財政再建プランは「福岡市2011グランドデザイン」の一部である「財政リニューアルプラン」(原案)において「税源の涵養」というページを割いて、触れられてはいる。
「昨今の社会経済情勢環境の変化により、支社・支店経済の統廃合や流通の『中抜き』による卸売業の事業所・従業者数の減少など、本市の経済を支えてきた基盤にも変化が生じており、福岡にふさわしい新産業の創出や企業立地の促進などにより、より重層的な産業構造への転換を図ることが必要になってきています」(財政リニューアルプラン(原案)P26)
分析については概ね正しいのだが、肝心な「この後具体的にどうするのか」についてはほとんど触れられていない。例えば、どのような新産業が福岡に適しているのか、支店経済からどのような経済構造に移行するべきなのか、それを実現すれば市税収入の基盤はどれくらい強化されるのか。ここまで決めないと「アクションプラン」にならないのだ。
もし、どうしてよいかわからないというのであれば、産業構造の転換について、歴史にヒントを求めることもできる。
江戸中期、財政難により領地返上寸前だった出羽国米沢藩を建て直した名君として有名な上杉鷹山は、それまでの「米依存型経済」を改めるために、米作以外の殖産興業を積極的に進めた。寒冷地に適した漆(うるし)や楮(こうぞ)、桑、紅花などの栽培を奨励し、漆の実からは塗料をとり、漆器を作る。楮からは紙を梳き出す。紅花の紅は染料として高く売れる。桑で蚕を飼い、生糸を紡いで絹織物に仕上げる。
このようにして、産業の「すそ野」を拡げ、雇用と商機を創出したわけだ。こうした施策等により破綻寸前の藩財政は立ち直り、次々代の斉定時代には借債を完済した。
もちろん、福岡で第一次産業を興せ、といいたいわけではない。この産業の「すそ野」を拡げるという発想を真似してみてはどうか、ということである。(つづく)
【日下部晃志】
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