福岡市議会の保守系会派「みらい福岡」による切手購入には、早くから疑問がつきまとっていた。今回判明した販売記録がない切手購入領収書は、実際には切手を買っていなかったのではないかという疑惑を生じている。
切手の販売管理簿ともいわれる「郵便日計簿」だが、領収書を発行した福岡愛宕郵便局(以下、愛宕局)も郵便局株式会社も、領収書と日計簿の整合性がないことについて説明を拒否している。公社時代のことであり、きちんと説明する義務があるはずだ。説明できないということは、「販売せずに領収書だけを提供した」といわれても仕方がない。
愛宕局の局長が「みらい福岡」に所属していた市議の子息である以上、より厳正な対応がなされるべきだろう。裁判中を理由に説明を拒む「みらい福岡」の姿勢は論外である。
平成18年度に「みらい福岡」が愛宕局で切手を購入したのは計9回と報じてきたが、正確に述べれば、「4日間で9回」ということになる。昨日報じたとおり、7月20日に愛宕局で1,500,000円分の切手を購入しているが、領収書はなぜか500,000円、300,000円、300,000円、300,000円、100,000円の5枚に分けられている。1月22日も1,000,000円分の切手購入を500,000円2枚の領収書に分けている。残り2回は2月15日と問題の3月12日となっている。
7月20日には市内中央区のコンビニPで同じく1,500,000円分の切手を購入しているが、これも前述の愛宕局分同様500,000円、300,000円、300,000円、300,000円、100,000円の5枚に領収書を分けている。結局、7月20日には「みらい福岡」として合計60,000枚もの50円切手を買ったことになる。3,000,000円分・60,000枚もの切手をなんに使ったというのだろう。2月15日も愛宕局とコンビニPで500,000円づつ計1,000,000円、20,000枚の大量購入である。
問題の3月12日は、愛宕局で885,000円、コンビニPでも885,000円、つまり35,400枚の50円切手を購入している。昨年の3月12日といえば、4月の統一地方選を控え、各陣営ともに選挙一色の時期、この時期に政務調査費支出に見合う郵便物を出すことがあるだろうか。
現在、市民オンブズマン福岡が原告となり、福岡市を被告とする政務調査費の目的外使用分の返還請求訴訟が進行している。政務調査費の問題を追及してきた市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事は「政務調査費は税金でまかなわれているものです。当然その使途については、議員側から説明がなされなければなりません。しかし、説明がつかないとか、説明自体を拒むことは、決してあってはならないことです」と語ってくれた。 つづく
【特別取材班】
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