《市長から納得いく回答なし》
「市長からは、何ひとつ納得いく回答がないままです」―。市長や市の対応に、患者家族らは怒っている。福岡市立こども病院の人工島移転問題で、病院の患者家族は8月11日、吉田宏市長の独断や誠意のない対応に対して、抗議文を提出した。
提出したのは「こども病院の人工島移転を考える会」(佐野寿子、西頭京子代表)。7月28日に市長が「こども病院の移転は人工島が望ましい」と発表、人工島移転を正式表明したが、「その記者会見で無視出来ない発言があった」として抗議文を提出することにした。
抗議文では、多くが納得しないまま市は人工島移転を正式発表した▽市長は私たちが東区への移転に反対しているというが、曲げて解釈している▽現地建て替えにかかる工事費の水増し発表につてい謝罪・釈明などがない▽人工島への自動車専用道だけでは根本的な解決にならない―といった4点について、市長に直接説明するよう求めている。回答期限は20日。
《市長、またも患者家族と面会せず》
この日、患者家族らは市役所を訪れ、市長に面会を求めた。が、今回も市長は姿を見せなかった。「7月17日の説明会で会っただけで、それ以後直接話を聞いてもらう機会がない。市長は逃げているではないか」といぶかる声もあった。
抗議文は秘書課庶務係長に手渡し、「市長の説明を」と要望した。しかし係長は「担当が返事をします」「市長が面接して説明することはない」などと述べ、市長が抗議に対して直接説明することに否定的だった。「市長に直接確認もしていないのに、なぜあなたが返事をするのか」と患者家族が反論する一幕もあった。係長は「市長に伝えておきます」とだけ返した。
佐野代表は「市長からは何一つ納得いく回答がないまま。説明会で市長は『誠意を持って対応する』と言われた。それを信じてきたのに、私たちに会わないこともおかしい」と語った。
患者家族は市の返事を待ち、21日に記者会見する予定だ。
抗議文の内容は、以下の通り。
1.3回行なわれた説明会において、説明が不十分なことや参加者の多くが納得しないままの状態という実情を知りながら、人工島移転を市の方針として正式発表されました。
2.市長が話をされた中で私どもの会が東区への移転を反対していると、言われました。数回に渡る説明会において、会として東区への移転を反対したことはなく、会の理念はあくまでもこども病院に相応しい安全かつ安心して利用できる場所を望んでいる、という事を曲げて解釈し、発言されました。
3.メディア等でも問題になっている「現地建て替え」にかかる工事費が水増し発表であったことについて正式に市長からの謝罪・釈明および説明が一切なされていません。
4.人工島への自動車専用道路の導入を検討されていますが、それだけでは根本的な解決にはなりません。
【豊田伸】
こども病院の移転問題に少しでも関心を持ってもらおうと、「こども病院の人工島移転を考える会」は、一般市民らに配るピンクと白のストラップを作った。署名活動の際や協力店舗などで無料配布する。
ストラップは、こども病院のカラーであるピンクと、病院を表す十字マークを刻んだ白の2枚1組のタグを紐で結ぶもの。長さ3センチから4センチ程度。携帯電話やバッグに下げるなどして使用し、こども病院の問題に対する市民の関心を高めてもらうのが狙い。
患者家族らによる手作り。8月28日から人工島移転の是非を問う住民投票条例の制定を求める署名活動を計画しており、その際などに計1万枚を配る予定。
同会の佐野寿子代表は「人工島移転に賛成とか反対とかではなく、一緒にこども病院の移転問題を考えてほしい。そういう人に付けてもらいたい」と話している。
【豊田伸】
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