こども病院 市民無視の人工島移転
西区役所から76分、大橋から73分の実態
福岡市はこども病院を人工島に移転するという。なりふりかまわず「はじめに人工島ありき」を貫く姿勢だ。黒塗りの市長公用車に女性を乗せて、行き先は飲食の場、晴天だったにもかかわらず「公務のため。土砂降りだった」と平気で言い放つ吉田宏福岡市長の庶民感覚はゼロなのだろう。患者家族や市民の気持ちが理解できるはずもない。
もちろん、公約違反が政治家にとってどれだけ恥ずべきことかもお分かりではないらしい。選挙公約で見直すと言った人工島事業について「検証・検討」をやったというが、実は「どうやったら予定通り『人工島の土地』を税金で購入するか」を検討しただけだったことが判明してしまった。MAX市政ニュースで報じてきた一連の業務委託報告書の内容は、まさにその証拠であったといえる。つまり、「検証・検討」は「見直し」ではなく、「見直しに見せかけた茶番」だったということだ。
その業務委託報告書の中に、さまざまな「参考データ」が添付されている。その1枚をご紹介したい。
天神・博多両駅(中心部)、香椎・大橋・姪浜の副都心、及び7つの区役所から人工島までの鉄道、バスそれぞれを利用した場合の所要時間データである。
データは、上記の場所を起点に、現こども病院までの時間と、当初移転候補地となった九大六本松跡地、九大田島寮跡地、当仁中学跡地、香椎副都心そして人工島(アイランドシティ)までの所要時間が出されているが、分かりやすくするため、現こども病院と人工島のデータだけを抽出した。
詳細にみれば、最低の時間だけが記されており、とてもこの時間では無理だというものが散見される。また、南区塩原からバスで40分としておきながら、もっと時間がかかるはずの同区大橋からは35分となっている。信頼性の少ないデータだが、それでも人工島までの所要時間と現在のこども病院までの所要時間では大変な差が出ている。
鉄道利用の場合、西区役所からは76分、南区大橋から73分など、1時間以上かかるところばかりである。(なぜかここでも大橋駅まで歩かねばならない南区役所からの電車利用時間のほうが8分も短い。こんなバカなことはないが・・・)
庶民の足、電車やバスでは、これだけ時間がかかる、つまり「こどもの命」に負担がかかるということなのだ。もちろん時間がかかるということは、料金もかさむということになる。
タクシーを使えと言うのは、金持ち役人と、公用車利用者の発想である。「適地は人工島しかない」という市議会議員は、次の選挙での落選を覚悟したほうがいいだろう。
都市高速延伸も含め500億~600億円かかるとされるこども病院移転の一大プロジェクト。もちろん税金垂れ流しの従来の利権構図である。「利用される市民」はたまったものではない。
そのうえ、通院に時間も金もかかる施設となれば、何のための事業なのか、まったく理解できない。市民のための病院ではないことだけははっきりしている。銀行と、役人と、政治屋のための病院とでも表現するしかない。
公約違反の市政には「リコール」で対抗するしかない。この際、市民参加で本当の「見直し」をすることを提唱しておきたい。
【特別取材班】
━ PR ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇ MAXふくおか市政Newsのご意見・ご感想を下記のメール受け付け。
https://www.data-max.co.jp/toi.htm
◇ 配信不要の方は、「市政ニュース不要」とご記入の上、下記アドレス
まで送信下さい。
media@data-max.co.jp
◇ MAXふくおか市政Newsは、ブレインメールのシステムで配信しています。
http://www.blaynmail.jp/news/topics/20070301.html
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
毎日更新(土・日・祝日を除く)で必読の新鮮な情報が目白押し!
福岡の企業情報サイトデータ・マックス『ネットIB』
https://www.data-max.co.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※記事へのご意見はこちら