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外国人労働者をどう活用する!? (3)
連載コラム
2008年8月15日 09:30

研修・技能実習制度について (1)

 福岡でも、あらゆる場面で外国人が働いている姿を目にするようになりました。地域や職場に溶け込み、熱心に働くその様子は、福岡がコスモポリタン・シティであることを実感させてくれます。ところで彼らは、どのようなカテゴリーで労働しているのでしょうか。今回は、外国人の労働力を考えるうえで重要な制度、「研修・技能実習制度」について話を進めます。この2つの制度についての区別や認知度は、まだ高くないようです。

 まず、入国管理局の見解を見てみましょう。入国管理局は、「研修・技能実習の趣旨」を「人づくり支援による国際貢献」として、次のように説明しています。

 <我が国の研修・技能実習制度は、開発途上にある国々に対して技術・技能を移転することを目的とし、我が国に研修生を招いて技術移転による人材育成を行い、それらの国々の発展を支援するという、長く広くその効果が浸透していく国際協力・国際貢献です。 (中略)つまり、ひとつの企業での研修生・技能実習生の受入れが、実は我が国の国際協力・国際貢献の重要な一翼を担っているのです。> (入国管理局HPより一部抜粋)

 「研修」は、昭和40年ごろから始まった制度です。海外進出した日本企業が現地法人などの社員を日本に招聘し、技術や技能を修得させた後、現地企業に戻します。研修を修了した社員は、修得した技術などを活かし、現地企業でリーダー的存在として活躍することになります。法的な整備も進められ、1990年にはこれまで外国人研修生の受け入れが困難であった中小企業にも門戸が拡がりました。結果、開発途上国のニーズに合った、汎用性の高い技術などの移転につながっています。

 一方、「技能実習」については、93年に「技能実習制度」が創設されました。研修活動により一定水準以上の技術などを修得した外国人に適用されます。該当する外国人は研修終了後、研修先企業などと雇用契約を結び、技術を実践で活かすことが可能です。現在は、この制度を活用できる職種が増えています。

 では、「研修」と「技能実習」の違いをまとめてみましょう(表を参照)。
 「出入国管理及び難民認定法」では、外国人が日本に在留する法的地位としての「在留資格」が、27種定められています。そのなかで、「研修」は、在留資格が「研修」(※1)、「技能実習」(※2)は、在留資格が「特定活動」です。この2つは在留資格が異なるので、活動可能な範囲も異なります。研修生は就労が禁じられている一方、技能実習生は、より実践的に技術・技能等の習熟を図るために、就労が認められています。技術・技能力に長けた外国人を、労働力として合法的に導入できるうえ、国際貢献にもつながります。企業にとっても、日本にとってもメリットの多い存在、それが技能実習生なのです。


 「研修」と「特定活動」の定義(出入国管理及び難民認定法より一部抜粋)


※1 研修:本邦の公私の機関により受け入れられて行なう技術、技能又は知識の修得をする活動。
※2 特定活動:法務大臣が個々の外国人について次のイからニまでのいずれかに該当するものとして特に指定する活動。
イ 本邦の公私の機関との契約に基づいて当該機関の施設において当該特定の分野に関する研究、研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該特定の分野に関する研究、研究の指導若しくは教育と関連する事業を自ら経営する活動。
ロ 本邦の公私の機関との契約に基づいて当該機関の事業所において自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を要する情報処理に係る業務に従事する活動。
ハ、ニ省略。

(参考資料)「出入国管理及び難民認定法」「出入国管理及び難民認定法施行規則」ほか

森山英樹
行政書士 森山英樹 事務所
電話 092-771-4762


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