盆直前の8月11日夜、北九州市・一枝市民センターで行われた第2回住民説明会で、住民側からの公開質問状に対して、子ども家庭局保育課は正式な回答文書を持って臨んできた。
しかし回答内容は、一枝地区住民の根本的疑問をはぐらかすものばかりで、全く誠意のないものであったため、住民・保護者側は移転反対を訴える活動を続けることになった。
説明会の中で、子ども家庭局保育課の部長は、「一枝保育所移転は北橋市長に地元の反対運動も含めて度々報告を行い、正式に了解を取っている案件だ」と説明を行なった。
同14日、住民側は北橋市長をはじめ、市議会病院保健委員会の全議員に対して、「一枝地区からの保育所移転反対の要請書」を提出した。
住民側は、これまで主に保育課に対して移転反対を訴えていたが、同市長にも反対の鉾先を向けざるを得ないと判断し、同日、市庁舎秘書課を訪れ、同市長へ「移転反対の要請書」を提出した。
少し長くなるが、その要請書を紹介しよう。
「北九州市長 北橋健治 殿
本日の住民説明会は1回目の説明会と同様に、保育課は一枝保育所保護者会や住民から出された公開質問状に対して、また保護者会活動を制約する違法行為についても何一つ答えることができず。しかも回答書と称して答えたもの全てが、問題の本質をすり替えた虚偽そのものの回答でした。
現在の実情を真摯に受けとめてください。
この移転計画の実態の本質は、一枝の住民にとって事実上の保育所閉鎖、廃園そのものであり、子育ての場を強引に奪う計画そのものです。
私たち一枝保育所保護者会、守る会はじめ移転反対の署名に取り組んで頂いた一枝校区全自治会、子ども劇場、一枝を中心とする市民劇場の会員、一枝学童、健和会労組、市職労保育部会、新婦人の会、一枝幼稚園理事・関係者、各企業社宅・団地、各マンション管理組合、年金者組合など、この問題にかかわったすべての団体、個人になり代わり次のことを要請します。
一、一枝幼稚園が3年後に廃園になろうとしています。幼稚園の理事の方がたには幼児教育を守るため、場所の提供も含め、一枝保育所存続のために真剣に考えていただいております。保育課のいう現地建て替えができない根拠はことごとく、崩れてきています。子育ての場を奪うのではなく、地域とともに作り上げていくまちづくりにしていくためにも、強引に移転を推し進めないでください。
二、性急に結論を下さず、子供や保護者・一枝住民の目線に立った現地調査を速やかに実施し、子どもの送迎がいかに困難であるのか、子育てがいかに困難になるのか、市長自らが先頭にたち、現状の実情と実態を把握し保護者や住民の窮状を真摯に受けとめてください。
三、一枝保育所にかかわるすべての団体個人に対して充分な説明責任と子育て日本一を実感できるまちづくりとは何か、厚生労働省が示す保育所の保育指針の原点である子どもの利益を最優先に考えることとは何か、具体的に私たちの前に提示されることを要請します。
四、住民の大多数が反対している一枝保育所閉鎖・廃園は、住民の過半数が納得出来る具体的な提示がない限り、仙水町への工事着工計画は中止すること。
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