「はじめに人工島ありき」新たな証明
起債協議・総務省への提出文書判明 移転地は「人工島」
データ・マックス取材班は、福岡市が起債協議のため総務省に提出したこども病院関連の文書を、情報公開請求により入手した。
今年1月~3月に、起債協議の「事前準備資料」として民間企業に業務委託して作成させた報告書については、既報の通り、こども病院移転用地を人工島と想定していたことを報じていたが、新たに入手した文書は、まぎれもなく「総務省」に提出したものである。
起債協議のため総務省に提出された文書は、平成19年度及び20年度分。移転地についての記述は全ての文書が「人工島」を想定しており、今年7月の正式表明が形ばかりのパフォーマンスだったことを改めて証明する形となった。
今年3月27日に総務省に出された文書のうち「今後のスケジュール」には9月に「土地補正予算」、10月には「土地売買契約(H20.10)」と記されている。また9月27日付けの文書には、建設場所としてアイランドシティと明記してあった。(左資料参照)
また、土地の購入時期も「平成20年度」とされており、博多港開発の土地売却計画を守るためとの見方もできよう。9月11日の「検証・検討結果報告」公表から2週間ほどの時期に、総務省に対しこうした文書が提出されていたことは、福岡市が人工島以外の場所に移転を考えていなかったことの証左と取られても仕方がない。
今年1月には起債協議のため担当課長らが総務省に出張、3~5月の起債申請事前協議のための資料内容を記した文書を提出している。この文書にも整備場所として(IC,敷地面積等)との記述が見られる。(右資料参照)
市側はあくまでも予定として提出したとするが、人工島以外の移転候補地はどこにも出てこない。「はじめに人工島ありき」であったことは明々白々となった。
明日はさらに総務省提出文書の詳細について検証する。
【特別取材班】
市民2団体が市長に抗議・再質問状
こども病院人工島移転は「公約違反」「粉飾だ」
こども病院の人工島移転問題で、2つの市民団体が20日、吉田宏市長に抗議文・再質問状を提出した。こども病院の人工島移転を「市長の公約違反」「粉飾した検証検討をやり直すべきだ」などと話しており、27日までの回答を求めている。
提出したのは「博多湾会議」(荒木龍昇代表)と「こども病院の人工島移転中止を求める会」(脇義重代表)。両団体は、7月28日に市長あてに公開質問状を提出。7点について指摘、回答を求めていた。以下に要約。
(1)公約違反についてどのような責任をとるのか(2)市内の小児科医・産科医の声を聞かない理由は(3)山崎市長時代に契約していたコンサルタント会社に、検証・検討の業務委託をしたのはなぜか(4)同社の報告書に「メリットあるプランとは言えないものであることを明らかにすること」などとあるが、現地建て替えをしないことを前提にしたものではないか(5)現地建て替え費用85億5千万円だった報告が検証・検討で128億3千万円となった根拠を明示すること(6)現地建て替え費用の85億5千万円が他の候補地でも計上されている。積算根拠を明示すること(7)検証・検討を粉飾した責任をとり、関係当事者を含めてやり直す意思があるか
市の回答は「答えになっていない」
これに対して市長(保健福祉局)は今月8日付で、 (1)ゼロから検討を行なっており、市民や患者家族に説明を行なったうえで方針を決定した(2)福岡市病院事業運営審議会や同専門部会において、県小児科医会長などが委員として就任しており、同審議会からいただい答申を尊重し、方針を決定した(3)知識とノウハウを有している。短期間で検証・検討を完了するために不可欠だった(4)コンサルタント業者としてこれまでの経験から、現地建て替えは課題が多いという認識のもとに、専門家として、その理由を明らかにするという趣旨を表現したものと思われる(5)経験豊富なゼネコンから費用の目安についてヒアリングを行なった(6)その後の検討で耐震工事から中間免震へと前提条件を変更し、工事費を15%増した(7)早急な事業化が必要。市民の理解を得られるよう、十分説明しながら進めたい―などと回答した。
この市長の回答に対し、両団体は「納得できない。質問の答えになっていない」として、20日に市役所を訪れ、抗議と再質問状を提出した。脇代表らは「市税を投入した人工島の土地は、銀行の担保となっている。こども病院の人工島移転は博多港開発の救済のためだ。市は市民の意見を聞かずに強行している」などと話している。
【豊田伸】
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