8月11日の第2回住民説明会で、子ども家庭局保育課から出された「公開質問状に対する回答書」の内容を、続けて検証していこう。
6月3日に出された10項目の公開質問状。その最初の質問が、今回の移転問題のキーポイントだ。
【質問】
共働きの家庭では、仕事上の時間的制約からどうしても子供の送迎には、お爺ちゃんやお婆ちゃんの手を借りなくてはなりません。その祖父母が歩いて送迎するのには、仙水町ではあまりにも距離が遠く、一枝の金毘羅地域から4キロ以上歩くことになり、しかも仙水町に入る交差点や歩道は、送迎時には車の渋滞や自転車の往来がひどく、とても年配者の足で送迎できる距離と環境ではありません。
保育所に通うことすら困難な家庭が増えても、それでも仙水町が保護者のために良い環境だというのですか。
保育課の《回答》
移転先の市有地は、現在の一枝保育所からお子さんや高齢者の方でも歩いて移動できる場所にあります。また移転先に至る経路には歩道や信号機、横断歩道、歩道橋も適宜整備されており、歩行者の安全にも配慮した環境が整っています。
加えて移転先は大通りから一歩離れた閑静な場所にあり、隣接する一方通行路の交通量も少なく、歩行者の安全を妨げるものではありません。
保育所の移転に伴い、朝夕の送迎時には保育所周辺の交通量の増加も見込まれますが、広い敷地を活かして送迎車両を敷地内に誘導することにより、車両の混雑を回避し、歩行者の安全も確保できると考えています。
【質問】と《回答》のギャップを、この中で読み取っていただけるだろうか。
まず「現在の一枝保育所からお子さんや高齢者の方でも歩いて移動できる場所にあります」といとも簡単に答えているが、保護者・住民側はそこに住んでいて実態を知っているから、歩いて通うことが本当に困難だと考えるからこそ、この質問を出しているのだ。
実際に朝夕の送迎時に、子供を伴った高齢者に歩いてもらいテストをしたというなら、その証拠を出すべきだろう。
次に「移転先に至る経路には歩道や信号機、横断歩道、歩道橋も適宜整備されており」と記されているが、では、この道に歩道はあるのだろうか。
しかも朝夕の送迎時には、明治学園に送り迎えする車両がかなりのスピードでここを通り抜ける。
こういう実情にもかかわらず、保護者・高齢者が子供を連れて送迎するのに、どこが安全だと言い切れるのか。
しかも明治学園前の歩道は、朝夕大変多くの自転車がスピードを出して通行している。歩道があれば安全だという無神経な役人に、もし歩道上で高齢者や子供に自転車との事故が起きたら、という質問は意味がないのだろうか。
つづく
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