市議会保健病院委員会が開催されたが、一枝地域住民の陳情は、保育課の代理人となった民主・社民議員が主導して不採択となった。
8月21日午前10時より市議会で保健病院委員会が開催され、一枝保育所を現在の保育所用地に隣接した岩ヶ鼻北公園への移転を求める陳情案についての審議が行なわれた。
一枝保育所の保護者と地域住民は4月14日の陳情が不採択となった後も、仙水町ではなく、なんとか一枝地区に保育所を残して欲しいとの願いを込めて5,838名もの署名を添えて、2回目の陳情案を提出していた。
保健病院委員会での良識を伴った審議に期待して、約15名の一枝関係者も傍聴したが、残念ながら陳情案は不採択となった。
記者もこれまで本会議は何度か傍聴したことがあったが、委員会の傍聴は初めてで、こういう形式で本当の審議ができるのか、まず疑問に感じた。
事務局から陳情案の読み上げ、次に陳情側がたった5分の陳情を述べた後は、議員が質問しても答えるのは役所側、保育課の課長・部長ばかりで、保護者や住民が意見を述べる機会は全く与えられない、一方的な審議形式だ。
これでは役所側に都合のいい話しか、審議にでてこないだろう。
また住民側の立場で質問を行う共産党議員に対して、保育課の答弁は論点をすりかえた回答ばかりであった。
記者は共産党の支持者でもないし、特定の政党を応援するものではないが、北九州市政でオール与党化した「出来レース」の中で、この委員会のメンバーでは唯一、住民側の立場で意見を述べていると感じられた。
審議終了前に共産党議員から、「住民が本当に求めているのは陳情案の岩ヶ鼻北公園への移転ではなく、仙水町への移転を中止して、一枝地区に保育所を残してほしいということであるし、北九州の保育行政で地域とのつながりを大切にしていくためにも、仙水町への移転を強行するのではなく、時間をかけて移転場所を再検討する」よう「継続審議」の動議が出されたが、賛成少数で否決された。
保健病院委員会の審議内容は、明日以降またメルマガでも紹介するが、本日の委員会のメンバーで、保育課の応援演説(出来レースの質問)を行なったのが、民主党の三宅まゆみ(若松区)、世良俊明(小倉北区)、社民党の森本由美(小倉南区)であることを伝えておきたい。
国政で民主党が支持を増やしているのは、政府・官僚に対する不信感に鋭い突っ込みをしているからであろう。
しかし、この北九州市では残念ながら民主党も社民党も与党として北橋市政を支えることが優先であり、逆に北九州市役所という官僚組織の代弁者に陥っているとしか思えない状況である。
いくら民主党が国政で支持を伸ばしても、この一枝保育所移転問題のように、足元の市民の声が聞こえない状況では、「政権交代で民主党が与党となって、本当に官僚組織をコントロールできるのか」と疑問を残す事例になるのではないだろうか。
詳しくは「マックス北九州ニュース」(北九州メルマガ/無料)にて。
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