「現在の一枝保育所の素晴らしい環境を捨てて、わざわざ移転させようとする保育課の考え方は、全く理解できない」
(中略)
一枝保育所の状況をよく知る、民営化前にこの一枝保育所で勤務経験のある2人の保育士さんから話を伺った。
御両名は現在も市の公立保育所で勤務されているので、当局からの圧力がかかる恐れもあるので、お名前や勤務経歴は差し控えさせていただく。
Q:今回の移転問題について、どのようにお考えでしょうか。
保育士Aさん:
初めて一枝で勤務した時に、都市部ながら夜宮公園の自然豊かな環境に囲まれていて北九州の中でも一番素晴らしい保育所ではないかと思いました。
住宅の側にありながら危険な道路など渡らずに、安心して小さな子供たちでも散歩させることができる一枝保育所は、保育を受ける子供たちに対し、優れた環境を提供していました。毎日自然と触れ合うことでリラックスできるだけでなく、五感を磨き、免疫を高めるという効果があったと思います。
3年前の民間委譲の際にも、この良好な保育環境を守っていくために私たち保育士も「建替えは現地で!」と訴えたことを覚えています。
事業団の皆さんも頑張っていると思いますが、営利目的でなく母親・保護者といっしょに子育てをしようとすると、正直なところ「公立公営」が一番責任を取れる運営形態だと思います。
今、市は公立をどんどん無くし、民間委譲を進めています。公立保育所勤務の私たちには労働組合があり、守られていますが、福祉事業団や民間の保育所の勤務実態は大変だと思います。
民営化が進むほどに、保育士さんたちはきちんと子供たちや保護者と向かい合う余裕がなくなり、北九州での子育て環境は厳しくなっていると思います。
民営化の流れの中で、現場の保育士さんたちは北九州市の保育の質が低下することに本当に危機感を持っていた。
いくら保育課や事業団が保育の質は変わらないと言っても、人件費の削減が大きな目的となる民営化では、保育士割合の水増しや無理な勤務が増えていることは間違いないだろう。
では北橋市政は、いったい何を根拠に「子育て日本一を実感できる都市」というスローガンを掲げたのであろうか。
次回も保育士さんへのインタビューを続ける。
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