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【倒産を追う/(株)明林堂書店(3)】 時代の変化についていけず
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2008年8月30日 13:27

 同社は大分を拠点としていたが、福岡、熊本、宮崎と、次々とエリアを拡大し、ピーク時には約120店舗を展開、全盛期はまさに“飛ぶ鳥を落とす勢いを持っていた。

 明林堂が県下に進出してきた頃の10数年前の話になるが、筆者が住んでいた地区は、中学、高校が多く、小規模の個人書店がいくつもあった。だが、同社の店舗が登場するやいなや、次々と閉店を余儀なくされた。明林堂の雑誌、文庫本、漫画本の品揃えは個人店と比べ物がなかったからだ。ゆったりと多数駐車できる駐車スペースも、大人にとっては魅力だったに違いない。しかし、その勢いは長続きしなかった。時代が進むにつれ、書籍が売れにくくなっていたのだが、競合他社が進出してくるやいなや、瞬く間に売上げを落としていった。

 雑誌をはじめとした書籍関係の売上げが落ち込んでいるのは、全ての書店に共通していることであるが、同社は時代の変化に追従するのが遅れてしまった。今や業界トップクラスのツタヤは、Tポイントという会員カードを発行。コンビニ、ファミリーレストラン、映画館、ガソリンスタンドといった数多くの業務提携先で使え、使うたびにポイントが貯まる事で消費者のハートを掴み、会員の他、業務提携先も増え続けている。書籍、CDが売れない逆風が吹く中で、知恵を絞りに絞って成功させたアイデアである。同社は従来から変わらぬスタイルで運営を続けてきたせいか、消費者動向を掴みそこなったことも今回の民事再生の一因となっている。 つづく


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