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増加傾向にあるも伸び率鈍化 最近の住宅ローン貸出事情 | クローズアップ
特別取材
2008年8月25日 08:20

 人生最大の負債とも言われている住宅ローン。各金融機関の企業向け貸出が伸び悩んでいるなか、この住宅ローンについては、利鞘確保の観点から各行とも積極スタンスで対応しているが、ここにきて審査が厳しくなっており、増加傾向にある残高に鈍化の兆しが見えている。住宅ローン残高推移、審査内容、今後の懸念材料など、その背景を探ってみた。

鈍化する住宅ローン残高

 これまで堅調に推移してきた住宅ローンは、今年度に入り鈍っているようである。2003年以降、住宅ローン残高は対前年比4%~7%増で推移してきたが、今年度は3%台に落ち込んできている(【表1】参照)。これは、日本経済が不況に突入し個人所得が伸び悩むなか、今後の住宅ローンの利用が低調になることを意味するものである。

厳しい保証会社の審査

 金融機関の積極的なセールス攻勢に遭い、金融機関窓口にローン申し込みをしても簡単には審査が下りない。というのも、住宅ローンは銀行系の保証会社の保証が前提条件となっているからである。この審査で最も重視される項目が、個人の借入記録をデータベース化した「個人信用情報」である。全国銀行協会加盟1,600機関が運営する個人信用情報センター(以下、個信センター)では、最大10年前まで遡り、銀行やクレジット会社から借り入れをした履歴を照会することができる。住宅ローン審査申込書の項目のなかにある、「個人信用情報センターへの情報照会に同意する」という一文をもって、金融機関がローン審査申込人の任意代理人として、個人情報を閲覧するのである。

 個人信用情報には、次のような項目が記載されている。(1)金融機関との取引情報=住宅、自動車、教育、カードなど、ローン借入及び返済の履歴の直近24カ月分。カードローンやクレジットカードの限度額まで記載。(2)不渡り情報=個人事業者などが不渡りとなった手形・小切手の支払場所や金融機関、不渡り理由など。(3)官報告示情報=破産手続き、民事再生開始決定日が掲示される。個人破産などの情報も含まれる。

 さらに個信センターでは、クレジット会社や信販会社などが運営するシーアイシー(CIC)とも提携をしており、延滞事故などのネガティブ情報も掲載されている。これらの情報を供用するネットワークを共有する金融機関のシステム「情報交流クリーン」により、個人の信用区分は、信用に問題のないホワイトと問題のあるブラックに分けられる。取引情報記録は5年間登録されるため、延滞事故などがあれば登録抹消までの間、住宅ローン審査に通ることはまず難しいことになるのである。

 このように住宅ローン審査は、最大の関所である個人信用調査をパスしなければ先へは進まないのである。次の段階に進むと、個人の属性審査となる。一般的な金融機関による審査基準は、会社員であれば勤続年数、会社規模、自営業者であれば経営状況がチェックされる。会社員の審査ケースで、勤続年数が短いと判断される期間は2年未満である。会社規模や業種は、上場している大企業とその他の中小企業に分けられる。(参考:住宅産業新聞)

今後の延滞増加が懸念材料

 デフレ下の低金利を背景に、国民は住宅に絡む負債を膨らませた。最近の調査では、借金を持つ世帯の平均債務額は1,482万円で、うち93%が住宅ローン。この比率は02年に比べ約20ポイントも上昇し、残高自体も45%増加している。延滞増加の主要因である金利リスクについては、07年9月末時点の住宅ローン残高のうち、変動金利が約36%、2~5年など短めの固定金利期間選択型(当初期間は固定金利で、期間明け後に改めて金利を決定)も合わせると約77%となっている。【表2】は、金融機関が懸念する住宅ローンのリスクであるが、貸出競争激化に伴う利鞘縮小の次には、金利上昇局面における延滞増加が挙げられている。

【参考】住宅ローン減税新設~国交省方針
 国土交通省は、09年度の税制改正で財務省に住宅ローン減税の拡充を要望する。現行の住宅ローン減税制度は借入額2,000万円分を上限に、1~6年目までは借入額の1%(上限20万円)、7~10年目までは0.5%(上限10万円)を所得税から差し引く税額控除。減税は原則として最大10年間で、計160万円となる。この減税制度は今年で期限が切れるため、09年度の税制改正で同制度の適用期間の5年間延長と省エネ住宅などを控除対象とする制度を新設し、対象のローン限度額を現行の2,000万円より拡大するよう要請するものである。
 これは景気テコ入れを狙ったものであるが、財源については、財務省との調整がカギとなっている。

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