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【行政コラム】脱藩官僚 縦横無尽(5)新たな需要の創出
特別取材
2008年9月 1日 10:31

普天王関のブログ

 8月26日に行なわれたシンポジウム、「官製不況に打ち克つ~建設・不動産業界が『せんたく』すべき道とは~」講演会に出席された皆さん。私の拙いお話を聞いていただき、誠に有難うございました。
 私の話の中で、「働く世代の人口が減り続ける時代においては、官製不況が無かったとしても、新しい需要を創出しない限り、景気はよくならない」というお話をしましたが、今日は、その続きを少しお話しします。

 8月31日の日曜日に、私は義父の代理として熊本県出身で幕内力士の普天王関の結婚式に出席しました。景気の悪い話が多い中で、東京の新高輪プリンスホテルという大きなホールで行なわれた、とてもにぎやかで明るい結婚式でした。
 仲人の方が普天王関の紹介をしているのを聞いていて、「おやっ!」と思ったのが、普天王関がブログを開いているということでした( http://futenou.ameblo.jp/ )。
 「現役力士 普天王 どすこい大相撲日記」と題したブログで、そのブログが縁で、ITベンチャーの雄であるサイバーエージェント社の藤田晋社長やアカペラのグループなど、これまでの相撲界の人脈とは違う人間関係を普天王関は築き上げているようでした。

若者の人気が低下しているのでは?
 
 このことについて、「すごいことですね」と私が感想を漏らすと、近くにいた相撲関係者が、「いや、そんな暇があったら、もっと稽古すべきです」と言われたのです。確かに、これは一理あります。横綱目指して精進せよ、と。

 しかし、ここで思ったのが、新しい需要を創出するということでした。最近では、横綱朝青龍の事件や、若い弟子のいじめ殺人事件、若ノ鵬の大麻事件など大相撲を取り巻く状況は決して明るいものではありません。それ以上に、若い世代の人気がサッカーなど他のプロスポーツの方向に向けられています。
 新しいお客さんを見つけないといけないのですから、若い世代や今まで相撲に関心の無かった世代をお客さんにしていくことを考えると、普天王関のブログはすばらしい取り組みではないでしょうか。

日本相撲協会の外国人対策はどうか

 そこで、早速、日本相撲協会のホームページを見てみました。新しいお客さんとしては、若者と外国人観光客が挙げられます。外国人向けのHPが充実しているのではと思っていたのですが、「う~ん」と唸ってしまいました。
 フランスのシラク大統領は相撲好きで有名ですが、HPには英語のページしかありません。外国人力士がたくさんいる割には、外国語が英語しかないとは意外でした。せめて、日本にたくさん来る中国人や韓国人観光客向けのものがあっても良いのではと思いました。
日本相撲協会( http://www.sumo.or.jp/ )

お手本は、MLB(大リーグ)のホームページ

 これに比べると、大リーグのホームページはとても充実しています( http://mlb.mlb.com/index.jsp )。日本語とスペイン語と中国語のホームページが作成されています。世界からお客さんを集めようという戦略を持っていますので、当然のことかもしれませんが、とても充実しています。日本語のホームページはこちらですが( http://mlb.yahoo.co.jp/ )、情報量が圧倒的に多いだけでなく、動画がたくさんあるのがさらに大きな違いです。

 新しいお客を増やす努力をしている大リーグと普天王関に、日本相撲協会が学ぶところは多いのではないでしょうか。日本は、これから少なくとも50年間は働く世代の人口が減り続けます。当たり前のことですが、それに備えている人は意外と少ないのではないでしょうか。


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