市の公立保育所に勤務し、以前、一枝保育所での勤務経験もある2人目の保育士さんにも移転問題について尋ねた。
保育士Bさん:
私は7年間も一枝保育所でゼロ歳児から全てのクラスを持つ経験をしてきました。地域との交流も多かったし、夜宮公園のすぐ横だという緑に囲まれた立地条件は素晴らしかったですね。
危険な道路を横断したり排気ガスを吸うこともなく、ゼロ歳児でもいつでも散歩に連れて行けました。手を放して、自分で歩きたいという要求に応じて、小さな子供から年齢に応じて歩かせることができるところは他にはそうないと思います。4、5歳児になると夜宮公園でドングリ拾いをしたり、先生の姿が見える範囲で自由に動き回ることができました。
保育課は、移転後も「なんじゃもんじゃ通り」を歩かせて、これまでと同じように夜宮公園で散歩させることができると言っていますが、かなりの距離がありますし、途中バス通りを、信号を待って渡らなければならないので、実際に付き添う保育士さんには大変な負担となるので、散歩は可能だと言っても、実際の機会はかなり減ると思います。
それと一枝で良かったと思うのは、地域の子育てのつながりが非常によく出来あがっていたことだと思います。
親も子も一枝保育所から一枝小学校に進み、学童保育やPTA活動などで友達同士のつながりを、子供は子供同士で、親は親同士でうまく育ててきました。
こうした地域での人と人とのつながりを育むことが、子育てにとって一番の財産であり、箱モノをいくら新しく作っても、その価値は全く違うと思います。
確かに私が勤務していた頃にも建物の老朽化は進んでいて、建替えの必要はあると思います。
しかし、当局は今の土地では狭いというデメリットを強調しますが、実際に子供を預けている保護者たちは、狭くても今の場所の方が断然いいと言っているのですから、そういう住民の声を行政は聞いて改築計画を進めることが当然だと思います。
(後略)
一枝保育所の問題ばかりでなく、北九州市の公立保育所の現状もご紹介しよう。
つづく
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