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【問われる報道の自由】「縛り」に従う記者クラブ
福岡市政ニュース
2008年9月 4日 17:28

こども病院基本構想案、説明受けるも市民に伝えず

 福岡市は4日午後、最大の懸案事項となっている市立こども病院の人工島移転に関する基本構想案をまとめ、福岡市政記者クラブだけに内容を説明した。いわゆる記者レク(記者団に対するレクチャー)と称されるものだ。しかし、この説明には「縛り」と呼ばれる報道規制が掛かっているため、市民には一切報道されないという。5日に吉田宏市長が記者会見で発表するまでは「非公開」にすることを、クラブ側が申し合わせているためだ。

 市報道課や記者クラブ幹事社によると、市側から「5日に病院の基本構想案と議会への提案議案を発表するが、事前にレクチャーをしたい」といった申し入れがあった。ただしこれには、「5日までは報道しないこと」という報道規制が付いていた。

 しかし、クラブ側はこれを当然のように受け入れた。権力の監視と知る権利の保障を目的にしているからこそ、記者クラブは税金で支えられる市役所内の部屋を使用しているはずだ。役所の言いなりになって書く権利を放棄する。それが記者クラブの常識なのか。

 「正式発表ではないから」「これまでもそうだった」―。この「縛り」について聞くと、クラブの記者からこんな言葉が返ってきた。正式発表かどうかは市側の問題だ。権力側の情報を、一刻も早く市民に伝えるのがジャーナリストの使命ではないのか。

日本新聞協会の見解に反している

 「記者クラブ側は取材先からの取材・報道規制につながる申し入れに応じてはならない。行政側や警察・検察なども安易にこうした申し入れをすべきでないと考える」(日本新聞協会「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」2006年3月9日第656回編集委員会一部改定)http://www.pressnet.or.jp/info/seimei/kenk20060315.html

 上記の通り、日本新聞協会の見解は取材・報道規制につながる申し入れに応じることを禁じている。例外として、生命や安全に配慮するものや叙勲、文化勲章などを挙げているが、「解禁時間を設定する協定は、限定的に適用すべきであって、仮にも自由な取材・報道を妨げるようなことがあってはならない」(同)としている。

 今回の「縛り」の受け入れは、明らかにこれに反する。たとえ行政側が「縛り」を要求してきたとしても、クラブ側は団結して公開を迫っていく必要があるはずだ。

 今回のこども病院移転の案件は特に、役所、議会、企業といった権力と、病気や障害を抱えた子ども、女性らが対極に立つ構図を持ち、賛否が渦巻いている大事な問題だ。ジャーナリズムの力を発揮すべき時ではないのか。

 記者クラブは、役所などが申し入れる安易な報道規制を受け入れるべきではない。それ自体が多くの「報道の自由」「市民の知る権利」を奪っていることを、各社の記者は自覚すべきだ。(つづく)

 ※弊社記者は「記者レクに出るなら縛りが掛かかる」とされたため、記者レクには参加していない。


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