またしてもコンプライアンス無視の積水ハウス(株)(時事通信 2008年9月6日)
住宅メーカー最大手の積水ハウス(株)(本社:大阪市北区)が昨年に続きまたしても建築基準法違反を繰り返した。昨年は東海地区4県のマンション等契約金額5,000万円以上の請負物件に1級建築士の現場管理士を常駐させていなかった問題で営業停止を命ぜられたもので、慌てて同社を定年退職した建築士等を再雇用を含めて大量採用した。同社の発表では東海地区に限った違反であったと釈明発表したが、九州地区等でも同じように再雇用しており、発表と異なり違反は全国に渡って行なわれていたものと推定されていた。
今回は同社の広島東支店が建築確認申請を行なわずに、広島市安佐南区に鉄骨2階建(4戸建)造のアパート2棟を5月に着工していたもので、架空の建築確認番号と確認日付を使って工事を進めていた。上司も通常、確認前と後に書類を確認することになっていたが確認不充分のまま工事を進めていたというお粗末さである。7月に現場を訪れた広島市職員が偽装に気付き工事停止命令を発令した。同社は工事停止命令に従い、建築途上のアパートを既に取り壊しており、改めて確認申請を行い再着工するというが、この3年近く業績低迷が続いており阿部新社長も漸く全国の事業所行脚を終えたばかりなのに、全社のモラルが落ち込んでしまっていることに気付いたのであろうか?
未だに前任の和田社長が代表権を持った会長(CEO)として君臨している中で、新機軸を打ち出して上昇気流に乗せられるのかは不明だ。すでに2009年1月期の中間決算を発表し、通期でも大幅な減益決算になることを表明せざるを得なかった。
タマホームの8月契約数は史上最高の1,750戸
前回当コラムで8月の契約数を1,550戸と予想したが、結果は予想を大きく上回り1,750戸を超える見込みだ。但し、9~10月は従来、主力の坪当り25万8,000円シリーズにオプションを付けてフリープラン契約の受注を絞り込むために受注は減少すると、控えめな数字を弾いている様だ。前回のコラムでは分譲住宅部門の拡大について述べたが、今後は更にアパート物件の受注も拡大していく戦略だ。
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