「二転三転する農水省の対応」
事故米は中国産ではなくベトナム産だったと再度説明してきた農水省。職員のいい加減な対応に怒り心頭に発した光安社長は、問題が発覚した際、農水省へ光酒造が所有する米のサンプルの分析を依頼した。しかし驚くことに、「うちではできません。県の事務所(保健所)にあたってみてください」と突っぱねられたという。
その後、福岡県の保健所の検査では異常なしという結果が出た。この時点で取引業者の方々には、保健所の結果を伝えて安心してもらったという。すると、今度は、「うちでも検査をさせて下さい」と再度、農水省の職員が訪れて来たという。「うちはサンプルの提出を断られ、言われるがまま保健所に出して、保健所からお墨付きをもらったので、取引業者の方々に伝えたのに、これでもしも農水省が“やっぱり悪い米でした”と言って来たら、うちは信用をなくしてしまうよ。いい加減にしてほしい」と怒りは収まらない。
元々、農水省が一方的に事故米が混入した疑いのあると言っているだけで、光酒造の納入業者は、事故米は混ざっていないと言っている。混入する 可能性は限りなくゼロに近い状態で、消費者の安全のことを考えて名前を公表し、自主回収に踏み切ったのである。この二転三転する農水省の対応は、民間企業ではありえない事だ。もし、万が一、民間企業がこのような対応をするものならば信用をなくし、取引はなくなり会社の経営も傾くだろう。
酒造メーカー側は立場的に、役所や国とはなるべく喧嘩をせず、敵に回したくないがために、強く抗議することができないのもわかる。だが、今回の騒動は、危機感のない国家公務員の杜撰な対応が大なる悪影響を及ぼしているのは間違いない。
つづく
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