福岡県大川市は、日本を代表する日本一の家具生産地であった。しかし、近年の生活様式の多様化や低価格の輸入家具の急増などで、売上高の低落傾向が長期にわたって続くなど厳しい状況にある。
大川ブランドはもはや過去の遺産なのか。この現状を変えるため、2005年に大川商工会議所及び地域精鋭企業を核とし、著名なデザイナーや九州大学大学院が協力することで生まれた産学連携のブランド「SAJICA」がある。
しかし、これも現状では「大川ブランド」として現地の人たちには認知されていないという話も聞く。それはデザイナーが東京にいたり、参加メーカーも一部にとどまったりということで、ブランドそのものに親近感、地域密着感が湧かないということがあるようだ。
こうした現状を変えたい、とライスデザイン代表の有川伸彦氏は自身で「ananke」という統一ブランドを提案する。「商品開発だけではなく販路開拓まで地元のデザイナーが手掛けてこそ、ブランドはその地域の職人さんたちにとってより身近で、ビジネスの種になるはずです」と語る有川氏は、世界的にも評価の高い大川の優れた技術力と自身の商品企画力があれば、必ず「大川ブランドの復権」が可能だという。
「ananke」とはギリシャ語で「必然」という意味で、一つ一つの商品に「必然のデザイン」という、モノのあり方を根底から見直していく企画開発手法を用いている。2009年夏以降に、国内外において年数回の展示会に参加メーカーとともに出展して、大手百貨店や大手雑貨店などのバイヤーにアピールし、販路確保を目指す。
技術力を商品開発に活かしきれていない、おしゃれな商品を開発したが販路が開拓できないという大川地域のメーカーにとっては朗報となるではなかろうか。
ライスデザイン(株)
代表:有川 伸彦
所在地:福岡市博多区古門戸町10-20-201
TEL・FAX:092-262-7206
e-mail:info@rice-design.com
URL:http://www.rice-design.com
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