明林堂が民事再生法の適用申請をした決定的な理由は借入れの多さである。
同社も「過去の多角事業の失敗による債務が経営に大きくのしかかった」としている。
本業の不振を補う為、焼肉店、古本屋、中古ゴルフショップといったサイドビジネスを展開したものの、ことごとく失敗。本業の書店も閉鎖と新規オープンを繰り返すものの、店舗出店に関しても、土地を購入して店舗を建てるといったやり方をしていたため、その都度、借入れが増え経営の負担となっていった。これらの事情により、資金繰りに窮して今回の事態となった。
同社のオーナーは地元の名士であり、カーディーラーも有している人物。金融機関もこの信用があったことで、同社へ融資を続けていたとも見られるが、今年に入ってメインバンクから訴えられる事態が発生した。「同社との間で信用を損なう事態が発生し、幾度も改善請求を行なったものの、一向に改善される気配がないので訴訟に踏み切ることにした」とメインバンクの担当者は語っている。借入れの多さが経営負担になっていたが、メインバンクとの亀裂が法的手続きを決定付けてしまったことは否めない。
つづく