事故米を転売したとして社会問題となっている三笠フーズ(株)。焼酎を作る酒造メーカー等数社が実名公表された他、菓子メーカーにも行き渡っている可能性があるとされ、企業によっては、事故米が使用された商品を自主回収する事態となっている。
同社の福岡工場では、連日大勢の報道陣が工場周辺を包囲し、なかにはヘリコプターを飛ばすマスコミもあり、会社の目の前を車で通行するものなら、三笠フーズの関係者と勘違いされ、報道陣からカメラのシャッターを切られるといった異様な事態となっているが、今回の事件により周辺にも影響が出ているようだ。
福岡工場のある福岡県朝倉郡筑前町原地蔵は、食品工場を始め運送会社などの企業が多数ある地区であるが、近くを走る県道500号線は、一部のグルメ通の間では“麺ロード”と言われるほど、うどん、ラーメン店が多い地区である。これらの業種は、一見、今回の件の影響はないように見えるが、同地区の、ある店舗の店主によれば、御飯系のメニューの注文がガタ落ちしているという。「あの一件以来、ご飯物が全然出ないんだよ。うちはちゃんとした米屋さんから購入しているのに、(三笠フーズが)近くにあるだけで消費者に誤解を与えている。迷惑だ!」と、思いがけないとトバッチリに憤慨している。
ただでさえ景気の低迷により、外食控えが進んでいる状況下で、更に追い討ちをかける事態ともいえるが、この問題が長期化すればするほど周囲に与える影響が大きくなるのは間違いない。この地域ではこれから10月にかけて、毎年恒例のキリンビールの1000万本のコスモスが咲く「コスモス祭り」があり、大勢の人たちで賑わう麺ロードの絶好の掻き入れ時に水を差さす可能性もある。店舗のみならず、近隣の住民、経営者の怒りが爆発するのも時間の問題だろう。