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コダマの核心

麦踏されてこそ企業は強くなる、独白!ディックスクロキ会長・黒木透氏(後)
コダマの核心
2008年9月25日 10:18

2000年当時の規模から出直し

 保有していた不動産に対する処理の第一弾が、中央区今泉の駐車場跡地の売却である。これはスムーズにいった。売却益も出た。岩田屋体育館跡地も世間で騒がれているような赤字の計上にはならない。宮崎の「ホテルパッシオーネ宮崎」の処理においても、嫌らしい購入意向を示した買い手もいたが、毅然とした姿勢で断った。「うろたえて下手に出る商売は止めよう」と担当者たちに言い聞かせた。結果として良筋の客が現れた。

 札幌、名古屋と全国に散らばっている商品にも、お客がつき始めている。名古屋の物件に食指を動かしたお客が、福岡の不動産にも購入の打診を図った例のように、新たな顧客の開拓・遭遇にも成功している。新しいお客がアプローチしてくるということは、同社の商品価値が高いという証明でもあろう(土地の仕込みも、相場よりも厳しい単価で入手に成功しているから、同業者よりも利回りの高い物件を作り出している。だから新規客が飛びつくのだろう)。

 そして、同社の企画開発で最も注目されている、福岡市中央区港にある高層賃貸マンションの動向である。「AIG生命がキャンセルすればどうなるのか」と、不安と興味とが交錯している物件である(キャンセルされた場合には、それ相応の違約金が入る契約内容である)。今のところ、キャンセルの通告は受けていない。よしんば契約解除となったとしても、同社としては動ずることはない。次の準備に余念がないからである。第二第三の候補者を準備中であり、最悪の場合でも、前述した2009年第一四半期17億円の赤字想定をオーバーすることはない。

 「在庫処理の目処をつけたとしても、次の仕込みを積極果敢にできるわけはなかろう」と黒木会長に質問を投げかけてみた。「確かにファンド頼りの大型案件の仕込みは、非常に困難になったと認識をしている。2009年、2010年の二期は、保有不動産の処理に奔走させられる。一方では、次期の仕込みをしなければならない。市況の先行きに鑑みると、我が社は2000年当時の100円億に比して、150億円の年商規模で推移するだろう」と予測する。

 まず、ビジネスの原点に戻って個人投資家との接点を大切にする。「4、5億円の小ぶりな物件が増えるかもしれないが、ここを大切にしなくては」と黒木会長は力説する。時代のニーズを見定めて、リニューアル分野にも注力する人材配置に着手し出した。同社には40名に及ぶ宅地建物取扱い資格者がいる。この人的資源を活用して、不動産仲介分野でも全力投入する。そうすれば、確実に賃貸管理物件が増えて、この事業での上乗せは確実だ。たまにファンドを活用できる大型物件のビジネスにも巡り合うこともあろう。

 同社の場合、「幸い」と言えるのは、「銀行の貸し剥がし」には遭遇しなかったことだ。それだけ金融機関には高い評価を得ていたのである。だが前代未聞の危機に際しては、自己資本の強化が必要とされている。いずれ資本充実の策も現実化しなければなるまい。最後に「私はまだ53歳だ。『透よ!! いま一度、事業の苦しみを味わえ』との神託を受けたのだと肝に銘じて、至難の環境から脱出する闘いの先頭に立つ」と黒木透会長は闘争宣言をしてくれた。

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