(株)マルキョウは、年間約150億円の仕入があった明治屋商事(株)との取引を9月末で打ち切る。
値引き金額の支払いをめぐってのトラブルが理由とされる。明治屋商事からの仕入分は10月からヤマエ久野、加藤産業、菱食、国分などの大手問屋が肩代わりする見通し。
関係者などの話によると、今春マルキョウが事実上の値引きであるリベートの支払いを明治屋側に請求したところ、明治屋側は値引き伝票のあるものなど、正当な根拠があるものについては支払ったものの、それ以外のものについては支払いを保留した。
マルキョウの請求した金額と明治屋の主張する金額の差は5~6億円とも10億円以上ともいわれる。明治屋商事は、本社社長も来福してマルキョウと再三話し合ったと聞かれる(一旦まとまった話が翻ったとする説もある)。金額面で妥協点が見出せず、マルキョウから取引を打ち切った。
食品問屋は通常、スーパーが、あるメーカー商品を大量購入すると、販促費の名目でリベートを支払う。スーパーにとっては値引き原資となる。この場合、問題になりがちなのは、問屋の営業マンがメーカーの事前承諾なしに独自の判断でリベートの支払いを口約束すること。後でメーカーに交渉しても支払ってくれないと、問屋が値引き分を被ることになる。営業マンはこれを恐れて赤伝票も切らずにあの手この手で処理を先送りする。
マルキョウと明治屋のケースは長年の取引関係で、営業マンとバイヤーが馴れ合いに近くなっていたことが背景にあると見られる。マルキョウは昨年秋、独占禁止法違反容疑で公正取引委員会の立ち入り調査を受けてから、社内管理体制の見直しに着手した。その過程で、多額の未収入リベートが発覚したというのが業界の見方だ。