2007年6月20日に施行された改正建築基準法の影響や、アメリカのサブプライムローン問題などで、この1年間でマンション市場は大きく変貌した。
バブル崩壊により大きな痛手を受けていたマンション市場だが、実需型のファミリータイプを中心に底堅い動きを見せ、1995年には10,000戸を超える新規供給が行われ、販売戸数も9,800戸台の実績を残していた。
その後も、98年に新規供給が6,000戸台を記録したことがあるものの、常に8,000戸前後の新規供給と販売が行われるなど、マンション市場は大きく崩れることもなかった。
しかし、05年頃から投資家などが土地価格の低迷に目を付け不動産投資が活発化したため、土地価格がそれまでの緩やかな右肩上がりから、一気に上昇に転じ、その影響からマンション用地も急激に価格が高騰していった。
その結果、02年以降値下がり気味だったマンション価格は一気に上昇に転じた。これは、土地価格の高騰に加えて建築資材が高騰し、中でも鉄の値上がりが価格に大きな影響を与え、福岡市でもマンション価格が5年ぶりに3,000万円台を記録することとなった。
その一方で、消費意欲は諸物価の高騰などから冷え込みが見え始め、加えて、改正建築基準法の影響や、アメリカのサブプライムローン問題などで金融機関の融資引き締めなど業界を取り巻く環境が一変し、在庫のだぶつきに加えて、購入意欲の減退と、非常に厳しい環境下に置かれることとなった。
それが、現実として現れたのは08年に入ってからだが、福岡でも矢緒企画やインベストといった中堅デベロッパーが相次いで破綻し、東京では上場企業のデベロッパーの破綻も相次ぐなど、業界環境の厳しさを浮き彫りとしている。
こうした厳しい環境下で、福岡県内のマンション市場の状況と今後の展望についてまとめ、第二部では福岡県内で活動するマンション業者40社の財務内容を分析したので、今後の経済活動の一助になれば幸いである。
福岡・北九州都市圏マンション特別レポート
第一部 市場動向編
第一章:改正・建築基準法を含めたこの1年間での混乱
第二章:福岡市の人口統計
第三章:福岡県のマンション市場
第四章:破綻と決断の両社
第五章:業界内での主な動き
第二部 マンションデータ分析
福岡県マンション業者40社
財務データ分析・各種ランキング
第三部 資料編
福岡県マンション業者40社
※巻末 各業者別財務データ表(評点ランキング順)
<掲載企業一覧>
新栄住宅(株)
第一交通産業(株)
(株)理研ハウス
(株)コーセーアールイー
東宝住宅(株)
(株)九州三共
大英産業(株)
(株)クレ・コーポレーション
(株)ファミリー
(株)アイランド
(株)ユニカ
岡部産業(株)
(株)タイヘイ
西武ハウス(株)
(株)えん
(株)シックス
(株)ランディックアソシエイツ
作州商事(株)
(株)なかやしき
(株)本多産建
日選開発(株)
(株)アライアンス
九州電工ホーム(株)
(株)ランド住宅販売
(株)アイビック
(株)福岡地行
(株)アーム・レポ
(株)ダックス
(株)アクシア・ユニオン
(株)ビルド
(株)ソロンコーポレーション
(株)ランドクリエーション
アルバクリエイト(株)
(株)スリーアイイー
ロワール(株)
アーサーヒューマネット(株)
(株)グランディア
日本コミュニティ(株)
(株)ジェイ・ファクトリー
※記事へのご意見はこちら