吉田宏福岡市長の支援団体「ふくおかFUNクラブ」が、政治資金規正法上で禁止される「企業からの寄附」を受けていた可能性が浮上している。
吉田市長の支援を目的とする政治団体はふたつ。「吉田ひろし後援会」と「ふくおかFUNクラブ」である。このうち「ふくおかFANクラブ」は福岡市長選の直前、06年9月20日に設立、主たる事務所を博多区博多駅南のビル内に置く。県選挙管理委員会に届けが出された同クラブの規約の目的欄には「吉田宏氏を支援する事により福岡市政の発展と市民生活の向上を図り(・・・以下略・・・)」と記されている。
同年に行なわれた市長選では、吉田市長を推薦した民主党ではなく、同クラブが確認団体として前面に出る選挙戦を展開した。(確認団体とは、選挙期間中、一定の範囲内ではあるが、選挙運動以外で政治活動が許される政治団体。確認団体制度は、公選法上、知事選、市長選のみに認められたもの)
団体の代表は北九州市に本社を置く企業の経営者で、会計責任者も同じく北九州の企業の代表者が務めている。これまで吉田市長の政治団体に関する疑惑についての報道を続けてきたが、同クラブの代表者も会計責任者も一切の取材には応じようとしていない。
今回、政治資金規正法上の問題が浮上したのは、同クラブの07年分政治資金収支報告書による。
同クラブの07年の経常経費は全て「0」と記載されている。(収支報告書参照)
問題は、同クラブが主たる住所としているのが、同クラブ代表者が社長をつとめる企業内であるということだ。つまり、ふくおかFUNクラブは北九州を本社とする企業の福岡営業所に事務所を置いているということ。その事務所費、高熱水費がゼロということは、企業から便宜を受けた、つまり寄附を受けたとみなされる可能性が高い。
政治資金規正法は、その第21条で、会社は政党及び政治資金団体以外のものに対して、政治活動に関する寄付をしてはならない、と規定している。
つづく
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