先日、ある地場企業の経営者に「景気が悪いが経営に響いているか」と聞いた。すると返ってきた言葉が、「うちは大丈夫だが、取引先がかなり苦境に陥っている。今年はさすがに焦げ付きが発生するだろう。しかし、それを恐れていては営業ができない。私が社員にいつも言うのは『焦げ付きを恐れるな!徹底して新規開拓せよ』である」。
もちろん闇雲に開拓しろと言っているのではなく、与信管理を徹底したうえでの檄である。不況というのは、往々にして人々の心を萎縮させてしまうが、腕一本でのし上がってきたこの経営者には、それを乗り越えた先にある成功の道しか見えていないのだろう。
最後にこう付け加えた。「当たり前のことを当たり前にやる。これが全てだ」。含蓄のある言葉である。
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