ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

特別取材

「太郎と一郎」 マッチレースの行方
特別取材
2008年10月22日 10:44

兵糧攻めに消耗戦

 ここにきてまた、衆議院の解散・総選挙の日程が「迷走」している。
 「迷走」と思っているのは、政治記者らマスコミの関係者だけかもしれない。解散権を握っている当の麻生首相は、「迷走」どころか深謀遠慮を巡らしているというのだ。

 最近の新聞や通信社による世論調査がよれば、依然として国民の自民党への批判は根強く、麻生内閣の支持率も低下している。「比例区に投票する政党」では、民主党が自民党を上回っていることが共通している。そうかと言って、民主党の小沢党首を次期の首相にという声は、麻生首相の半分にも満たないという「ねじれ」現象が見られることが特徴となっている。

 こうした中で、県内のある野党系の議員によると、麻生首相は解散をできるだけ延ばして消耗戦に持ち込もうとしている、と観測してみせた。

 ひとつは、選挙資金の兵糧攻めである。自民党と比べ現職議員が少ない民主党は短期決戦が望ましいことは確かだ。これに対し自民党は低落しつつあるとはいえ、資金的には余裕がある。

 さらに見逃してはならないのは、自民党と民主党のリーダーを国民が選択する選挙に持っていくというのが麻生首相の狙いだという。

 つまり、この混乱した経済・政治情勢を乗り切る強いリーダーは誰だ、ということだ。強いというのは、何も政策とは限らない。体力・健康問題である。ここにきて小沢氏に健康不安説が流布されている。麻生首相はできるだけ長期戦に持っていって、民主党と小沢氏に消耗戦を仕掛けている、というわけだ。

 麻生首相にとって何も「負け」がわかっている時に解散・総選挙をする必要はない。緊急経済対策、衆院3分の2の議席をバックにテロ特措法再延長を成立させ、新たな追加経済予算や国際舞台で力を見せつけ、小泉元首相の「ワンフレーズ・ポリティクス」ばりの振る舞いで自民党への支持率を高めていく。そんな作戦ではあるまいか。

 民主党は今国会では解散・総選挙を急ぐあまり、さしたる論戦を交わすことなく「短期決戦」戦略が空振りに終わりかねない状況も生まれつつある。政権維持のための「太郎」と、政権交代を叫ぶ「一郎」のマッチレースは、国民の顔を意識したものとなっているが、国民の利益に叶うかは疑問だ。(AKIRA)


※記事へのご意見はこちら

特別取材一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル