国際労働機関(ILO)のソマビア事務局長は、国際金融危機の影響で、世界全体の失業者が2千万人増加し、09年後半には2億1千万人(07年では1億9千万人)に達すると、20日発表した。
同事務局長は失業の拡大に加え、1日1ドル未満で暮らす最貧層が約4千万人増加し、2ドル未満の層は1億人以上増えると予測した。先進国と途上国との格差をいっそう金融危機が押し拡げるということだ。金融危機は、ウォール街のみならず世界の隅々まで影響を及ぼしていく。
一方、世界銀行(本部ワシントンDC)のオコンジョイウェアラ専務理事は20日、金融危機は今後も続き、食料や燃料、肥料などの価格高騰にあえぐ途上国はさらに困難になるとの見通しを示した。同氏は特にアフリカ諸国が金融危機の影響を受けやすいと指摘した。また、世界で新たに1億人が貧困状態に陥り、栄養不良人口は4,400万人増えて9億6千万人を超えるとも語っている。さらにゼーリック総裁も、金融危機は途上国の企業や銀行を直撃し、破綻や非常事態に陥る恐れがあると警告している。
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