今月17日に行なわれた福岡市内の一部の外科医らによる、こども病院人工島移転についての「私的会見」を、福岡市保健福祉局の恒吉香保子理事と、こども病院担当の野見山勤部長が、「公務」として支援していたことが明らかになった。24日、理事、部長ともに事実関係を認めた。
会見は市内の病院院長がこども病院移転に関する私的意見書をまとめ、一部の医師らが賛同、17日に病院院長が勤務する病院で会見を開き公表した。この会見の前、病院長から会見について相談を受けた恒吉理事が野見山部長に相談、直後に理事、部長の二人で病院長を訪問した。
訪問した理由について、理事、部長ともに「会見の方法など、複雑で、電話で説明することが難しかったから」と話す。会見についての説明なら、担当の報道課長・部長などで対応するべきであり、保健福祉局の出番ではない。その点を質したところ、野見山部長は「(相手が)公的な病院の先生で、失礼になるかと思い、説明にあがった。私が病院長の顔を知らなかったので、恒吉理事に同行してもらった」とする。
病院長が作成した「私的意見書」について、手直ししたりしたのではないかとの問いには、これを否定したが、「恒吉理事のところには、こども病院に関する数字の確認の意味でFAXか何かが来ていたと聞いている」という。数字の間違いなどがあれば、当然教えることになるだろうし、それを「手直し」といわれてもおかしくない。なぜ「私的な会見」をする人間を、そこまで手厚く遇するのか。
病院長らが、市役所にとって都合のいい「こども病院人工島移転賛成」を言い出してくれたからに他ならない。市内の産科・小児科の大半の医師らは人工島移転に「反対」の署名まで提出している。都合の悪くなった市役所は、産科でも小児科でもない、「外科医」にすがったというところだろう。
野見山部長に対し、なぜ、保健福祉局の理事と部長が、公務で会見の支援に動いたのか。やり過ぎだ、と追及してみたが、「それは貴方の意見でしょう」という。しかし、「私的会見を公務で支援したことになるが間違いないか」と確認したところ、「そういうことです」と認めざるを得なかった。
黒塗り公用車使用
両人に「黒塗り公用車で病院長を訪ねたことに間違いはないか」とぶつけたが、これについては渋々認めた。まさに暴走である。
※記事へのご意見はこちら