(株)シノケングループ
代表:篠原 英明
所在地:福岡市博多区博多駅南1-15-22
設立:1990年6月
資本金:19億2,215万円(08年3月末現在)
年商:(08/3)297億7,994万円(連結)
2005年10月に発覚した姉歯元建築士による耐震偽装問題で、渦中の企業となり注目を集めた時期もあった不動産開発の(株)シノケングループ。サブプライムローン問題に端を発した新興不動産企業の信用失墜により、同社に対する問い合わせも増えていた。
同グループにつて検証する。
08年3月期は過去最高の業績
02年12月、同社はジャスダック市場に株式を公開し、福岡から東京に打って出るなど業績を伸張させていたが、姉歯問題で、首都圏マンションなどの耐震偽装が発覚、渦中の1社となり、一気に奈落の底に突き落とされる事態に陥ったのは3年前のことである。
創業以来最大の危機を迎えた(株)シノケングループは、独自に第三者専門機関へと調査を実施し実情を把握して発表を行うなど、素早い対応で信用を繋ぎ止める。
入居者や購入者の救済を一番に対応、入居者への安全第一を考え、退去要請及び代替転居先を確保し、それに伴う費用については同社が負担した。また、購入者へは、売買契約を白紙解除の後、購入代金を全額返還した。
これらの手当てにより、同社は販売した耐震強度不足のマンションの代金返還で06年3月期、6億9,503万円の当期赤字に転落した。
この難局を切り抜けることができたのは、福岡銀行の支援に加えて、折からの不動産市況の活況が追い風になったことも否めない。さらに思い切った補償策が消費者や関係者に評価されたことで、信用失墜を免れ、同社は短期間で復活への道を歩み始めることができたのである。
07年3月期は全国でアパート160棟、マンション11棟を販売して、連結での売上高196億円、当期利益7億円で、ともに過去最高。08年3月期もアパート181棟、マンション14棟を販売するなどで、連結売上高297億円で過去最高を記録した。収益面は建築コストの上昇や、土地の高騰などから、経常利益9億円(14.8%減),当期利益4億円(39.2%減)に留まったが、見事にV字回復を成し遂げたといえる。
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