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きしむ保守王国―福岡7区― 八女市長辞職、亀裂深まる(中)
特別取材
2008年10月 2日 09:30

 八女市長辞職に町村長ら反発

 「合併までに課題、難題が残されている。野田市長(合併協議会会長)に、合併後の新市長として執行していただきたい」。衆院選出馬を決意した野田国義氏に対し、合併相手となる八女郡(黒木、立花町、星野、矢部村)の4町村長は慰留を申し出た。しかし野田氏は9月30日、こうした声を振り切って、市役所を去った。

 これに4町村長は反発している。田中礼助・立花町長は「合併は首長の責任でやってきた。いま辞められては困る。政治決断すべき問題はまだまだ残されており、無責任だ」と語気を強める。

 政治的?動きの裏

 野田氏は、昨年夏以降から民主党側からアプローチされて接触していたとされる。野田氏は合併協議が進む中、衆院選への出馬を熟慮していたことになる。そして決断した。

 「野田市長、衆院選出馬へ」―。9月22日、マスコミ各社が野田氏の出馬意向を報じた。同日、4町村長は「真意はどうなんだ」と野田氏に詰め寄った。野田氏は4町村長に出馬への理解を求めたというが、4町村長側は「前向きに検討しているという話だけで、共に合併を進めてきたのに事前に説明もなかった。24日と25日にも面会に行ったが、市長は会おうともしなかった」と憤る。

 4町村長の動きを、野田氏は「選挙や政治的な絡みと認識して(面会を)遠慮した。立候補をはばむ行動には怒りを感じる」(朝日新聞10月1日朝刊)としており、亀裂は深まっている。合併に期待している住民からも「無責任」との声が出始めているといい、選挙戦に影響を及ぼす可能性もある。

 ただ、この動きには裏がある。

 4町村長は、以前から野田市長との関係は「ぎくしゃくしている」といわれ、少しでも有利に合併したい町村が市長を慰留するのは不自然だ。また、申し入れの前に古賀陣営による働きかけがあったとの証言もある。懸案の合併協議が残っていることも事実だが、慰留を求めることで、辞職した野田氏に「合併協議を放り出した」との印象を与えた。

 実は選挙に弱い古賀陣営

 首長たちがこうした動きに走る背景には、古賀陣営の危機感もあるようだ。古賀氏は小選挙区になって過去4回の選挙で圧勝しているものの、得票数は減少傾向にあり、前回はまったく無名の民主党新人候補に3万7千票差まで迫られた。

 近年の首長選の結果も、それを物語っている。古賀氏の推す候補は、惨敗か僅差の苦戦続きだ。

 特に07年3月のみやま市長選は、古賀氏が生まれ育った地元でもあり、その力が問われるものだった。古賀氏が強力に推進したインターチェンジ新設や大学誘致などを実現したうえで、本人が何度も現地入りした。選対に秘書を置くなど「古賀誠の総力を結集した戦い」だったが、大差で敗退している。

 「古賀誠が動けば危ない」とも噂されるようになった福岡7区の首長選挙。一方で、野田氏は逆境を勝ちあがり「選挙に強い」といわれる。 4町村長の市長留任要望は、「古賀陣営の危機感の表れだ」との指摘も出ている。

つづく

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