ファクタリング会社のフィデック(上場)は、日本一のマンション供給戸数を誇る「穴吹工務店」との取引を停止した。
フィデックは、これまで穴吹工務店の買掛債務(手形支払部分)をファクタリングして、支払先へはフィデック経由で現金が振り込まれていたが、10月より従前の支払方法に戻る。
しかし、その影響は穴吹工務店の協力業者に生じることから、同社は協力業者の動揺を事前に鎮めるため、地域によっては説明会を開催する動きもある。協力業者への今後の支払いは、手形も発行される。
なお、今回のフィデックによる契約解除について、フィデック社は「社の判断です」と回答しているが、当然、債権についてフィデックは再資金化していることから、穴吹工務店の債権については、再資金化先(金融機関)からの再資金化拒否(停止)と見るべきであろう。
※フィデック社の年間取扱累計高は2,772億1,400万円(20年3月期実績)。
※穴吹工務店の2007年供給戸数は5,037戸(1位)
※ファクタリング
ここでいうファクタリングは、フィデックのような専門業者と債務を負う会社のダミー会社が行なっている。
会社にとっては、手形発行がなくなることから、印紙税の大幅な節約になり、業務も簡素化されるメリットがある。
一方、協力業者にしても頭を下げて銀行で手形を割り引くことをしなくて済むメリットがある。金利も年利2~3%(フィデック)で銀行の割引金利以下で、支払日に即刻入金することから、資金繰りも助かるメリットがある。
なお、穴吹工務店の業績及び財務内容等の詳細は、弊社企業特報誌「IB」に記載予定。