福岡市が「新病院基本構想(案)」についてパブリックコメントを募集している。(9月29日~10月31日)つまり、人工島への移転を強行する市立こども病院についてのご意見募集である。市民の反対意見を無視し、人工島移転を決めておきながら、何を聞こうというのだろう。行政側の踏むべき手順を守る、言い換えれば「アリバイ」作りのためとしか思えないものだが、意見を募集する前に、やるべきことがあるはずだ。
まず、インチキ「検証・検討」の実態と市民だましの手法を公表すべし!
吉田宏福岡市長が人工島事業の見直しと位置づけた「検証・検討」は、その作業のため民間業者に作成させた業務委託文書などから、「はじめに人工島ありき」の方針で進めた「インチキ」であったことが、数々の弊社スクープで明らかとなっている。
こども病院移転に関しても、現地建て替え工事費の40億以上に及ぶ水増しや、「(移転先は)まだ決めていない」としながら、国(総務省)への提出文書には、早い時期から「人工島、3.5ha」と記されていたことなど、いわゆる市民騙しの手口も判明している。
あげくの果てに、新病院構想案の市民説明会に、じつに130人もの市役所職員を送り込み「サクラ作戦」まで実行する始末・・・。
こうしたインチキの連鎖について、福岡市は市民に対し何の弁明もしていない。ろくに検証もできないばかりか、市役所にとって都合の悪いことは一切書かない姿勢に終始してきた「新聞各紙」に助けられ、最後までシラを切り通すつもりらしい。
多くの市民はこども病院人工島移転に関する、いわゆる政策決定過程の真実を知らされていない。きちんと情報開示したうえでのパブリックコメントであれば意味もあるが、事実関係が隠蔽されたままでは、市民の側が判断を誤ることにつながる。そういった意味から言えば、こども病院の人工島移転に関する議案をやすやすと可決した市議会やそれを許したメディアの責任は重い。いずれにしても、パブリックコメントを募集するというのなら、真実を公表してからであろう。
つづく