福岡市長側政治団体に疑惑再び！

　吉田宏福岡市長の支援を目的とした政治団体「ふくおかFUNクラブ」が、07年の政治資金収支報告で経常経費をゼロとしていた問題は、政治資金規正法が禁じる「企業からの寄附」になる可能性がある（16日既報）。同クラブの主たる事務所が、北九州に本社を置く企業の福岡営業所内にあるからである。

　06年の同クラブの収支報告では、経常経費のうち、高熱水費はゼロ、事務所費は１万6,000円と記載されている。市長選挙の年であり人件費は約190万円、備品・消耗品費が40万円余り計上されているが、事務所を維持するための高熱水費がゼロということは、同クラブが電気代や水道代を支払っていないということになる。同クラブは選挙前から実質的活動を福岡市中央区の「吉田ひろし後援会」（選挙期間中は選挙事務所として使用）で行なっており、当時の同クラブの印刷物の住所も同所になっている。事務所費が1万6,000円ということはどうにも理解できない。事務所費の中には、切手等の郵便代金や通信費を含むため、金額から言って家賃が支払われたとは言えまい。07年同様、06年も家賃は支出されていないと見るべきだろう。

　同クラブの主たる事務所は変更されておらず、設立以来、政治団体の維持に必要な経費を企業が面倒をみたことに他ならない。06年は選挙期間中も含めて、派手に政治活動を繰り広げており、活動実態があったことは周知の事実である。さらに07年は同クラブの政治資金に動きがあり、まったく活動がなかったとは言いがたい。

　福岡県選挙管理委員会は活動実態によるとしながらも、ふくおかFUNクラブが企業の中に主たる事務所を置きながら、事務所費とともに高熱水費までゼロであることに、「禁止される企業からの寄附とみなされるかもしれません」と話している。吉田市長の説明責任が問われるところだが、市長の関連政治団体については、さらにおかしな点がみられるのである。

つづく