麻生太郎首相の関連企業とされる「株式会社麻生(福岡県飯塚市)」が、欠陥があることを予想しながら、「ASフォームⅠ型」と呼ばれる建設用パネル材を販売、九州新幹線の高架橋建設に使われていた問題で、同社の企業倫理が問われている。
同社の旧社名は「麻生セメント」。79年までは麻生太郎首相が社長を務めていたことでも知られる九州を代表する企業。病院や学校、スーパーなど、あらゆる分野に進出する麻生グループの中核である。
問題のパネル材は、社内でも出荷を危ぶむ声が上がっていたという「欠陥品」。あろうことか九州新幹線という多数の人命にかかわる建設工事用に販売していたことになる。同社の企業倫理は厳しく問われることになる。
その(株)麻生から、元社長でもある麻生太郎首相の関連政治団体には、毎年多額の政治資金が提供されている。
麻生首相の関連政治団体は、資金管理団体「素淮会」、地元福岡県の「麻生太郎後援会(麻生太郎と21世紀の会)」「九州素淮会」をはじめ、「北海道素淮会」「北陸素淮会」「福井太郎会」「神奈川太郎会」「中国素淮会」など全国にくまなく存在している。
06年には「素淮会」や「麻生太郎先生を囲む会」(大阪)などに150万円づつ、07年には「九州素淮会」に計300万円など、(株)麻生によるパーティ券購入が確認されている。もちろんこれはほんの一部である。麻生首相にとっては、大きな米びつであることは疑う余地もない。
企業倫理を問われる「(株)麻生」からの多額の政治資金提供は、改めて論議を呼びそうだ。「法(政治資金規正法)に従って適正に処理している」とのコメントしか聞かれそうにないが・・・。