本年4月までグリーンシート市場に上場していた丸美は、2006年当時「合同会社丸美堺筋本町ビル」の無担保社債券を事務代行会社として募集していたが、「合同会社丸美堺筋本町ビル」という会社は設立されていないというとんでもない書面が見つかった。
添付3のように弁護士が証明しているとおりであるが、同社債は第1回と第2回が発行され、事務代行はいずれも丸美である。社債券の入金口座も丸美の銀行口座であった。
当社債については、丸美が償還金額全額を保証することが募集要項8項に掲載されており、今回のように保証会社の丸美が破綻しても合同会社丸美堺筋本町ビルが存在すれば、合同会社から社債は償還されるものである。しかし会社そのものが設立されていなかったのでは論外である。
社債発行会社が実際に設立されていなかったとしたら、丸美は架空の会社の社債を売ったことになる。これも丸美の名を冠した合同会社である。丸美が販売して集まった社債金は、丸美に入金された後、どこに行ったのであろうか。
丸美の社債購入者も約1,000名の被害者がいることを債権者集会で丸美側が明らかにしている。その中には、合同会社丸美堺筋本町ビルの社債を購入した債権者も多い。
丸美堺筋本町ビルは、大阪市中央区久太郎町1丁目4番8号にある地下1階、地上12階建のオフィスビルであるが、物件は現在、第三者の所有になっている。
募集要項等
社債発行会社:合同会社丸美堺筋本町ビル
所 在:東京都中央区八重洲1丁目4番22号
代 表 者:田中 稔(社債券面では代表取締役)
第2回の社債発行日:平成18年10月5日
利息:10.0%
償還期限:平成21年10月5日
利渡日:毎年10月5日・4月5日
※ 募集要項にある同社の収支予想では、信託銀行からの配当金と匿名組合配当があり、配当金の支払以外に余剰金も発生するとしている。
▲社債券実物コピー(左) 募集要項(中央) 弁護士書面(右)(クリックすると拡大されます)