日本製餡協同組合連合会には現在530社が在籍する。餡の製造を手掛けるほぼ全ての企業が加盟しているという。福岡県下の加盟は18社である。その中でヤノフーズはトップクラスの業容を誇る。2007年11月期の売上高は約11億円。近年は10億~11億円台で推移している。また製造部門の矢野製餡(本社:同)も単独で8億~9億円台を維持している。1985年、2代目となる現代表の社長就任後は、白鳥工業団地への移転や東京営業所の開設など積極展開で業容を拡大させてきた。
こうした中で、今回の偽装問題が発覚した。実はヤノフーズの日餡連への加盟の際には業界から異論が出たという。「福岡県の加盟企業は結束が固く、他社の顧客に強引な営業をすることはなかった。ヤノフーズは低価格を武器に他社の顧客を(製餡)攻めまくっていた」(関係者)のが主な理由とされる。価格破壊が末端まで行き渡れば、消費者の利益になる。製品に問題さえなければ、ヤノフーズの営業手法は必ずしも批判されるものではない。
ところが、今回の偽装問題である。積極果敢な拡大策は原料の偽装に支えられていたとすれば、業界の憤りは倍加する。一番の被害者は消費者であるが・・・。
ヤノフーズのあんこ偽装問題は、データ・マックスでの独走スクープを皮切りに、各メディアで取り上げられているが、在京キー局のTBSが、25日夕方の「報道特集」で特集番組を報じるとされる。