(株)シノケングループ
代表:篠原 英明
所在地:福岡市博多区博多駅南1-15-22
設立:1990年6月
資本金:19億2,215万円(08年3月末現在)
年商:(08/3)297億7,994万円(連結)
大手も参入で競合必至のアパート投資業界
同社には、早急に処理を迫られる物件等はないようだが、問題は財務体質の強化と、競合が激しくなることが予想されるアパート投資部門だ。
財務面は、耐震偽装問題による、建替えや引越費用など、多額の資金負担を迫られ、この問題以降に有利子負債は一気に膨れた。07年3月期までは有利子負債が年商を超えるなど、財務面の足を引っ張っていたことは否めない。
08年は業績の向上により、年商比率では下がっているものの、依然として高い水準にあることは間違いなく、他人資本依存からの脱却を課題として抱えている状況は続いている。
また、前年はアパートなどが好調に推移したことで、業績は過去最高を記録、篠原社長も「アパート部門は好調を維持している」としていたが、業界を取り巻く環境の厳しさは大きく、受注状況が前年を下回っていることなどを考えると、過去最高を記録した08年3月期のようなことにはならない。
08年3月末時点での受注残高は前年比で60.9%なのだから、9月に19棟を契約したというアパート部門が盛り返しても、今期決算は厳しい状況も予想される。
加えて、アパート部門は大手ハウスメーカーの積水ハウスが戸建部門の伸び悩みを穴埋めするために、積極的に営業を仕掛けており、これまでより坪単価で約20%下げる新プランも検討しているという。そのほかにも大手ハウスビルダーも投資用アパート分野に本格的に参入する計画が聞かれるなど、競合が激化するのは必至の情勢。この分野で礎を築いた同社が、大手に対してどう立ち向かうのかが注目される。
この戦いを制することができれば、V次回復どころかアパート分野での地位を確固たるものにすることができる。
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