道州制の議論を進めている九州知事会と九州経済連合会などでつくる九州地域戦略会議(議長:鎌田迪貞九経連会長)は、10月30日熊本市で会合を開き昨年から策定を進めてきた道州制「九州モデル」の最終報告をまとめた。
最終報告は、国、道州、市町村の役割分担を決め、内政は原則として地方が担うこととし、国から30兆円の税源を地方に移譲することなどの内容になっている。
道州制「九州モデル」の作成にあたって、国、道州、市町村の役割分担とともに、医療や子育て、産業の活性化、社会基盤整備などの12のテーマに沿ったメリットを示し、道州制導入の利点を示した。現在の国税と地方税の割合が6対4を道州制導入後は2対8にする、国から地方への税源移譲は30~38兆円としている。
同会議では、シンポジウムなど市民へのPR活動を強化し、道州制議論の活発化を進め、年度内を目途に「九州の目指す姿と将来ビジョン」を策定することにしている。
九州は道州制については、全国に先駆けた議論が進んでいる。しかし一部では、道州制ですべてがうまく運ぶといった制度導入のメリットばかりが喧伝されており、地に足のついた議論が望まれる。
「平成の大合併」以来、11月1日にはついに町村の数は全国で1,000を切った。広域行政の問題点や、地方分権の流れの中で、現在の市町村連携でも可能なことはいくつもあると思われる。今出来ること、やるべきことを先送りする材料に道州制を使ってはならないだろう。
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