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貧困と地雷被害の悲劇 とり残される村の姿(下) | CMC特別レポート
特別取材
2008年11月 4日 09:33

放置されている地雷

 ビセットの父親は01年からこの場所に住み続けているが、その間に40個もの地雷を自分の土地で見つけたという。畑にも何度も入って鍬を入れ耕した。もう畑には地雷は無いだろうと思っていた矢先の事故だった。その後、父親は意識的に地雷を探すようになり、1月から井上が訪問した5月までに4個の地雷・UXOを見つけ撤去したという。「ほらっ」と地雷を手渡された。もちろん本物!背中がサーッと冷たくなる。もう火薬は抜いてあるから大丈夫、と平気な顔で言う村人たち。周りに集まっている子どもたちも慣れきっていて笑っている。そして父親がプラスチック製の地雷、PMN-2を押して見せた。この瞬間、心臓が止まりそうだった。素人が大丈夫だとたかをくくって事故に遭うケースもたくさんあるからだ。「こんな風にしていて事故に遭うことが多いんです。もしあなたが事故に遭ったら、子どもたちは生きていけない」。と思わず叫んだ。そして「子どもたちに触らないようにきちんと伝えてください」とノイ君の事故について具体的に話すと、急に真顔になって聞いてくれた。

 今回の調査のなかで一番不便、最悪の環境と感じたのがこの村だ。カンボジアのほかの村とまったくタイプが違う。まず、この村のほとんどはプランテーション(ごま、豆、とうもろこしなど)で囲まれている。緑が視界全体に広がるほどとても広い。ここで雇われている小作労働者もたくさんいた。道といえるものは無く、ただのPATH(小道)、つまり人が通ることでできた小さな道だ。雨期には足が踏み入れられなくなるだろう。こんな環境ゆえか、地雷撤去団体はまったく入っておらず、農地に地雷が放置されたままだ。村人は自分で撤去を行なうしかなく、その結果、犠牲者が出続けるのだ。カンボジアという貧しい国のなかにあって、さらに置いてきぼりになっていく村の姿がそこにあった。


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カンボジア地雷撤去キャンペーン 
〒814-0002 福岡市早良区西新7-1-58
TEL:092-833-7676 
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