毎週末のようにゼネコンやデベロッパーが破綻し、上場企業の倒産にも慣れてしまった感すらある建設不動産業界。しかし、ひとつの破綻の下では「焦げ付き」という形で多くの人達の生活が脅かされている事実から目をそらしてはなるまい。
そんな中、去る11月6日、セントラルホテル福岡(福岡市中央区)で福岡地区の大工の集まりである「福友会」が臨時の役員会を開いた。荒れる業界をどう生き抜くかを模索し、知恵を出し合う場を欲したからだという。
もっぱら下請けとして活動する彼らにとって、ゼネコンの破綻は死活問題だ。義理と人情、恩義と貸し借りとが色濃く残る業界だけに、一連托生という考え方を持つ業者も少なくない。
しかし、良い時ならいざ知らず、ゼネコンの破たんが相次ぐご時世にこのような考え方でいいのだろうか?と、各業者は自問自答し始めている。家族や従業員のことを考えると道連れはゴメンだ。しかも、自分達には手に職がある(大工の技術習熟にはかなりの時間がかかる)。
「ゼネコンは無くとも大工が居れば家は建つ」との同会幹部の言葉には、不安を振り切って自立せんとする専門工事業者の苦悩とともに、自負と自信が垣間見えた。
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