11月4日に自己破産の準備に入ったスーパー(株)アクト(本社:福岡県行橋市)は、近年資金難が常態化しており、倒産は時間の問題だった。多くの債権者が比較的冷静に受けとめ、既に引当金を積んでいた企業もある。
とはいえ、怒りの感情は別である。「詐欺師にだまされた」と激しい憎悪を剥き出しにする債権者もいる。そもそも、(株)アクトは経営に行き詰まった(株)相互から事業譲渡を受けてスタートした。この際、宮本代表は、あたかも相互の債務を引き継ぐかのような言い回しで納入業者の引止めを図った。
しかし、フタをあけてみれば何の債務も引き継がなかったという。スタートから反感を買っていたのである。さらに、近年になって、信用不安が表面化すると、今度は取引先に株式の引き受けを要請した。この際も言葉巧みに店舗の譲受話などをちらつかせたという。出資に応じた企業は結果的に追い銭を打ったことになる。「詐欺師にだまされた」という言葉にもうなずける。
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