長春対外経済技術合作有限公司福岡事務所
首席代表 李 環宇 氏
経済の発展には目を見張るほどの勢いがあるものの、技術的にはまだ不十分なところがあり、日本の産業・科学技術の導入を図りたい中国。少子高齢化が進み、若年労働者数が減る一方の日本。アジアの命運を握る日本と中国は、今後どのようなパートナーシップを見出していけば良いのだろうか。2年前に日本国籍を取得し、中国から日本への技術研修生受け入れ事業に携わる李環宇・首席代表にお話を聞いた。
[COMPANY INFORMATION]
所在地:福岡市博多区博多駅前2-19-17-415
TEL:092-403-6508
URL:www.ccfetc.com
目的は祖国への貢献
―李さんが携わっておられる研修制度はどのようなものですか。
李 私の故郷でもある、中国吉林省長春市に本社がある「長春対外経済技術合作有限公司」(以下、CFETC)が、日本での技術研修を希望する人を厳密な審査と選抜を経たうえで日本へ送り出すというものです。さらに、日本の現地事務所が研修受入先の企業と中国側の連絡窓口として、さまざまにケアすることになります。CFETCは、中国の中央政府が発足させた中日研修生協力機構ですが、今は民営化されています。
―研修生になるためには、どのような条件が必要なのでしょうか。
李 研修生の選抜基準は必ずしも学歴の高さではありません(中学校卒業以上)。すでに中国で仕事に就いている技能職経験者で、日本が高い技術力を持つ産業・職種分野に関し、現地で学ぼうという意志を強く持っている人です。現在、研修対象となっているのは自動車部品関連、食品、機械加工、農業など62職種・114作業です。
またCFETCでは、来日前の語学研修にも力を入れています。通常だと、事前の語学研修は3カ月間行なうものですが、私どもの場合は6カ月間かけています。その間に、日本の生活習慣についても学んでもらいます。6カ月あれば、ある程度の日本語の基礎を身につけることができますから、日本に来てからの言葉の上達が早いというメリットがあります。挨拶やちょっとした意思のやりとりなら大丈夫になります。
研修を終えたあと、研修生は中国に戻り、中国で職に就くことが義務づけられています。あくまでも中国の産業の発展に寄与するというのが、この研修事業の目的なのです。優秀な研修生には、CFETCが中国の優良企業や日系企業を就職先として紹介しています。
つづく
※記事へのご意見はこちら