急激な市況悪化が直撃したマンション依存型の工事受注
―請負に戻った後はどんな展開を考えていますか。
辻 新しい技術を導入して、それを前面に出すかたちで市場を広げたいと思います。
―開発には資金調達から運営・管理までの提案力が必要ですが、九大の六本松の跡地開発は地場でやって欲しいと個人的には思います。
辻 これからの開発はPFI的になっていくと見ています。しかし、今のPFIは建設会社が資金を負担しなければいけないようになっています。本来はPFIからどのように受注するか、だと思うのですが。それに対しどのように関っていくかには興味があります。
―手持ち受注と追っかけで、2期は読めます。やはり、150億円超を目指しますか。
辻 売上げを支えてきたマンションが厳しく、難しいですね。あまりにも急速にマンション市況が悪化したため、先を見通せないというのが率直なところです。
―社長に就任して11年になります。これまでを振り返っていかがですか。
辻 ひと言でいうと"騙された"という感じ。かつて建設業界が落ち込んだ時、「ここが底」といわれたものの結局、2番底だったわけです。それから今の状況ですからね。しかし、2番底の時はまだよかった。建設業界は大きく落ち込みましたが、堅調な業種もありましたから。それが今は、全産業が厳しい。そうしたなか、どう動いていいのか分からず戸惑いもあります。当面は与信的な選別を徹底して、支払い条件についても厳格にしていかざるを得ないと思っています。
―請負業に戻ることに迷いは。
辻 それはありません。請負業のなかで生きていき、利益を生み出す仕組みを作っていきたいと思っています。理不尽な過当競争はもう、うんざり。これからはいかに当たり前のことを当たり前にやり、付帯サービスを充実していくかが重要だと思っています。
つづく
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