信頼とケアで事業発展
―研修生のなかには、何かと問題のある人がいませんでしたか。
李 そのようなことが起こらないよう、万全の対策を講じています。研修生の対象となる人材は、吉林省出身の人に限定しています。その方が、身元と教育水準を正確に調べることができるし、家族ともしっかり連携をとることができるからです。きちんと身元確認をして、両親とも親密な関係をつくったうえで頻繁に情報交換をしています。
また、おかしな人が書類の偽造などでまぎれこんでくるようなことも一切ありません。CFETCは、元は政府の機関ですから、そこは当初から厳密にやっています。この2年というもの、とくに何事もなく順調に成長することができています。良い仕事をしていると、そのことが口コミによって広がり、事業の拡大につながるのです。
―お話をうかがっていると、かなりしっかりとしたシステムをつくっておられるように感じます。
李 そうですね。私自身、よその国である日本でずっと仕事をし、生活してきたので、日本に来る人たちの境遇や気持ちが分かるのです。私の故郷・長春の送り出し機関も、頑張ってもっと発展させたいと思っています。
―研修生の人たちの悩みや、こういうはずではなかったといった類の訴えはありませんか。
李 研修生には、当社から事前に来日後の状況について説明しています。応募者は納得のうえで面接を受けるシステムですので、そうした訴えはありません。
初めて来日する研修生たちの悩みとして一番多いのは健康状態に関することですね。たとえば、こちらの環境に慣れていないことからストレスが生じて、病気になりやすいという面はあります。話し相手がいなかったり、日本語に不慣れなことから奥の深い話ができなかったりすることも、ストレスを生む原因になります。そういうときには皆、私のところに連絡してきますので、相談に乗ったりしています。
でも、そうした例は少ないですね。研修生に対しては日本に来る前に、日本へ行く目的・理由についても濃密に教育しております。研修生の方も日本で学ぶことに対する目的意識をしっかりと持っていますので、そう簡単に弱音を吐いたりしないようです。だから、研修の途中で脱落していく人はいません。
―現在の活動を、将来的にはどのように発展させていきたいと考えていますか。
李 研修生の数を、大幅に拡大させようとは思っていません。優秀な企業との付き合いを大事にしていきたいと思っています。研修生事業は日本と中国双方にとってプラスになる事業です。ですから、この事業をもっと発展させるために、より優れた人材を日本に送り出して両国の関係をもっと緊密化させていきたいと思っています。
人と人との関係がうまく行けば、国と国との関係もうまくいくだろうと思うからです。
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