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特別取材

クリエイティブ(創造的)な都市(下) 環境デザイン機構代表 佐藤俊郎 氏
特別取材
2008年11月10日 11:00

 このような、自由闊達でクリエイティブな人材はどのような場所で生活することを望み、そのライフスタイルはどのようなものであるか、これが「創造的」な都市の本質である。創造性を伴わない産業で構成される都市は、世界的都市間競争のなかで、必ず効率を求め、低賃金の人材であふれた都市にその座を奪われる。つまり、創造的階層に属する人々が住みたい都市はどのような都市であるか、これがチャールス・ランドリーの定義する「創造的都市」である。ヨーロッパの都市事例が多く紹介されているが、これらの都市は多種多様な人種が共存し、「文化」が次世代の産業である。

 クリエイティブな人材を持つ都市は、文化・芸術的魅力にあふれ、ひいてはそのことが世界最大の産業である「観光」と結びついていることを明確な都市政策として打ち出している。金沢、横浜などが目指している姿はオンリーワンの都市像であり,他都市が追いつくことができないのである。

 ユネスコのプログラムに「デザイン都市」があるが、世界遺産登録と同じように、国家の枠を越えて都市がカテゴリーを選び、直接ユネスコに申請する。認定されれば、世界の都市間でさまざまな情報が共有され、交流などが行なわれる。今年前半、福岡市東区箱崎神宮の境内で行なわれていたシルク・ドウ・ソレイユというサーカスは、このユネスコでデザイン都市に指定されたカナダのモントリオール市が生み出した創造的文化産業の1つである。1984年のロスアンジェルス・オリンピックのときに世界デビューしたこのサーカスは既成概念を破っている。動物が登場せず、ジャズの生バンド演奏により、人間の肉体美と可能性を、デザインされた意匠と構成であたかもサーカスとミュージカルの合体のように仕上げている。このサーカスが東京ディズニーランドに「ZED」として常設されたのは、創造的都市文化が産業として成立する証明でもある。


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