東京製鐵の鉄スクラップ購入価格の下落が止まらない。本年ピーク時の7月2日の買取り価格71,500円が、11月5日には11,000円まで暴落しており、 国内の鉄スクラップ価格史上、記録にない大幅暴落となっている。
この暴落の背景に、 世界的な金融危機と景気の悪化があることは言うまでもない。 そのため鋼材製品は大幅な需要減退と市況下落に見舞われている。 電炉各社や新日鉄などの高炉メーカーも緊急減産体制に移行、それにより鉄スクラップは極端な需要縮小となっている。
更に鉄スクラップの輸出先である中国・韓国などの東アジア市場が、 これまた減産で手持ちスクラップが在庫増となっており、 引き合いも閑散状態。 鉄スクラップの輸出先は壊滅状態で、 輸出用スクラップの国内還流を招来している。 国内鉄鋼メーカーの需要の大幅減少と合わせて、 ダブルのマイナス要因を抱え込んだ。国内市況は10,000円割れが目前となっている。
(参考)
平成20年(2008年) 東京製鉄 宇都宮工場 鉄スクラップ(特級)購入価格推移
1月11日 43,500円 ⇒3月6日51,000円 ⇒7月2日71,500円 ⇒8月19日52,000円、⇒10月1日43,000円 ⇒10月21日19,000円 ⇒10月31日13,000円 ⇒11月5日11,000円
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