対前年同月比で310.4%増の870戸というのは、昨年の数字が、改正建築基準法の影響から、これまでに無いほど落ちていたことに起因する数字であり、着工件数は実際には全く伸びていないと見るべきだろう。
しかも、この数字は着工を延ばしていた分や大型物件が入ってのものであり、市場が好転しているとは判断できない。
この1年間は、着工件数が対前年比で○○%増といっても、一昨年と比較して増えているかどうかを見るべきだろう。国土交通省も対前年比で改善されているような発表をするケースがあるが、一昨年の水準まで戻っていないことは明らかである。
売れ行き状況も、昨今の経済情勢から伸び悩んでおりマンション市場の回復にはまだ相応の時間が必要と思われる。
ニッセイ基礎研究所が実施した不動産市況のアンケートでも、不動産投資の実務者や専門家の大半が「不動産投資市場の悪化はあと1年~2年続く」という見方をしており、これはマンション市場も同様のようだ。
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