第一交通産業(株)が12日、2009年3月期第2四半期の連結業績を発表した。前年同期比売上高はほぼ変わらず、営業利益は同57.0%の減少となったものの、純利益は増加した。
第2四半期連結累計期間の同社グループの売上高は、412億800万円、営業利益は10億400万円、経常利益は7億6,900万円、四半期純利益は9億1,600万円となった。
前年の第2四半期は、売上高415億3,900万円、営業利益 23億3,100万円、経常利益21億9,900万円 当期純利益 8億6,200万円であった。
各事業の種類別業績は、次のとおりである。
(1)タクシー事業
タクシー業界は、景気減速感が漂う中での利用者の乗り控えに加え、運賃改定に伴う客離れ、都市部における代替交通機関への需要のシフトが見られた。福岡市内で他社に先駆けて後払い電子マネー「iD」(アイディー)を導入するなど利便性の向上を図っており、その結果タクシー事業の売上高は、245億9,100万円となった。なお、08年9月30日現在のタクシー認可台数は、当第2四半期連結累計期間に買収による大分県大分市の王子第一交通(有)25台の新規連結を含めた結果22台増加し、6,786台となっている。
(2)不動産事業
《分譲事業部門》
マンション事業では、引続き好立地・好条件の分譲物件の供給に注力し、福岡・北九州都市圏において5棟303戸を販売開始し、共同事業では、福岡市内の千早駅前再開発エリアにおける地上31階の超高層ツインタワープロジェクト(3棟合計521戸を予定)のうちの1棟251戸を販売開始した。分譲事業部門の売上高は、マンション事業において当第2四半期連結累計期間の新規竣工物件3棟及び竣工済み物件の引渡しにより40億9,400万円、戸建住宅4億1,900万円、竣工済の共同事業の引渡しにより5億1,600万円、その他売上高が1億3,800万円となり、合計51億6,800万円となった。
《賃貸事業部門》
賃貸事業部門の売上高は、前連結会計年度における総合スーパーの退店及び企業社宅の一括退居の影響などにより12億2,000万円となった。なお、総合スーパーの退店跡地については、SC再開発によるリニューアルオープンと同時に新たな総合スーパーが08年10月30日営業開始となっている。
以上の結果、不動産事業の売上高はその他仲介等売上高6,300万円を含めて64億5,200万円となった。
(3)自動車関連事業
国内自動車販売では、若年者層の車離れ、ガソリン価格の高止まりに伴う小型車・低燃費車への需要のシフトが続いている。グループにおける外車販売でも、新型車の端境期と景気低迷に対する懸念から、消費者心理が急激に冷え込んだ結果、BMW車・MINI車ともに主力車種において販売に苦戦しているが、自動車関連事業の売上高については、高額車種の堅調な販売と中古車販売・サービス部門等の寄与により30億5,200万円となった。
(4)金融事業
金融事業における当第2四半期連結会計期間末の融資残高は、事業者向け金融部門の不動産担保ローン及びビジネスローンにおいて、与信基準の見直しや貸出金利の引下げを実施しつつも積極的な融資を行ったことにより増加したものの、消費者ローンを営む日新信販(株)の譲渡に伴い、前連結会計年度末比36億4,300万円減少の190億9,800万円となった。売上高については、ビジネスローンの適用金利の引下げによる利息収入の減少及び不動産再生における売上高の減少により、27億2,000万円となった。
(5)バス事業
バス事業では、沖縄県内の路線バス部門において、ゴールデンウィークやバスの日に合わせてフリー乗車券を発行し、那覇バス(株)の貸切バス部門において定期観光コースを増設するなど、バスの利用促進を図っているが、貸切バス部門における競争激化と団体旅行の減少傾向により売上高は36億2,500万円となった。また、08年9月30日現在のバス認可台数は、当第2四半期連結累計期間に23台減少し736台となっている。
(6)その他事業
その他事業においては、パーキング事業、医療コンサルタント事業、ゴルフ練習場の運営のほか、通販事業の営業推進等を行っており、売上高は7億6,300万円となった。
以上のとおり、同社はセグメント別に説明している。
なお、連結業績の通期予想数値は、売上高876億円、営業利益33億円、経常利益30億円、当期利益18億4,000万円と前期比減収減益を予想している。
前期連結決算数値は、売上高920億8,400万円、営業利益54億9,500万円、経常利益52億2,700万円、当期純利益は12億4,700万円であった。
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