福岡証券取引所に1994年8月から上場している学習塾経営の(株)全教研(福岡市)は、現在マネジメント・バイアウト方式で上場廃止に向けて公開買付中である。
同社は、小・中学校生から高校生までを対象とした地場学習塾であるが、優良企業でも知られる県下№1の学習塾である。
今回の公開買付は、出来高の少ない福証市場であり、(市場外での売買は不明であるが)市場での株の売買は少ない。
当公開買付は、全教研の経営陣や経営者一族が経営する会社などによるものであり、10月15日全教研役員会で公開買付の賛同を決議し発表している。
今後、公開買付から福証の上場廃止基準に抵触する場合も、発行済株式を全株所有するまで買い取り続けるとしている。福証では発表後の10月17日から現在まで360円前後で取引されている。
(参考)全教研の上場廃止コメント
近年、金融商品取引法の新たな内部統制ルールである「J-SOX(日本版SOX法)」を初めとする資本市場に対する規制が強化されていることに伴って、株式上場を維持するための費用(株主管理費用、株主総会開催費用、監査・内部統制費用、開示費用等)が増大しております。かかる費用は今後もさらに増大することが予想されることから、対象者の利益圧迫要因になる可能性があります。従って、中垣一明は、対象者の企業価値を中長期的に検討した場合、株式上場に起因するデメリットがメリットを上回っているものと考えられ、かかる観点からも、マネジメント・バイアウトによる本取引が対象者の中長期的な企業価値向上にとって最善の手段であると考えるに至りました。
以上のような検討を経て、中垣一明は、創業家一族継続保有株式及び対象者の自己株式を除く、対象者の発行済株式の全てを取得することにより、対象者の株式を非公開化させるための一連の取引を行うこととし、その一環として、本公開買付けの実施を決定したものであります。
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