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空港問題 佐々木徹県議会議員(上)|インタビュー
特別取材
2008年11月14日 11:45

空港問題「増設か新設か」
拙速を避けじっくりと議論を

民主・県政クラブ
佐々木 徹 県議会議員(福岡市東区選出)

 福岡空港調査連絡調整会議(国、県、福岡市で構成)は、現空港の滑走路増設案と海上新空港案の2案を公表し、市民への説明と意見を募るステップ4も始まっている。県政の重要課題である福岡空港問題についてどう対処するのか、東区が選挙区でもある佐々木徹県議に話を聞いた。

「増設」「新設」 両案の可能性は

民主・県政クラブ 佐々木 徹 県議会議員(福岡市東区選出) ―福岡空港の今後について両代表案が出され、ステップ4も始まりましたが、感想をお聞かせください。

 佐々木 新宮沖だけではなく、奈多沖案の新空港案が出されていますが、「西側配置改良増設案」は、ステップ1から3までの間には出てこなかったものですから正直驚いています。「福岡空港は14万5,000回の滑走路処理能力が限界に達し、2012年にはパニックになる」ので、早く空港を造らねばという前提でスタートしましたが、改良増設案が落としどころかな、という感じがします。

 新空港に鉄軌道や高速道のアクセスをつなぐことになると巨額の費用が必要となり、1兆円の予定が2兆円になります。そのようなことを考えると、新空港はかなり困難だと思います。しかし、「新空港を」と1回花火を上げているので、「新空港はダメだ」と国も言いにくい面があるのでしょう。

 ―ステップ4が始まっており、年度中に結論を出すことになっていますが。

 佐々木 9月県議会での私の質問に対して、麻生知事からは明確な発言はありませんでしたが、本年度中に結論を得るという表明はされました。
 県議会での私の質問の主旨は、「増設か新設のどちらか」という問題に対し、性急に結論を出す必要はないのではないか、というものです。現に24時間運用の北九州空港もあるし、佐賀空港もあるわけだから、福岡空港を中心に機能分担、役割分担を決めて、連携を深めていけば今のところやっていけるのではないかと思うのです。

 その根拠になるのが容量問題です。14万5,000回が滑走路処理容量の限界と言われていますが、現在、その数字に近づいていないばかりか、横ばいや減少が見られます。今年の1月から8月までの発着回数は昨年と比べて5,000回ほど減少しています。平行誘導路の二重化工事が具体的に着手し完成すれば、4,000回も余裕ができます。

 少子高齢化が進行し、また、11年には鹿児島まで新幹線が全通するため、鹿児島路線便が減ることは確実です。こうした状況を考えると、そんなに性急に結論を出す必要はないのではないでしょうか。現状は、「増設か新設か」という結論を出す段階までに行き着いていないと思います。ステップ1から3までわずか3年間、ここで結論を出すのはあまりにも早すぎます。仮に今、新空港を造るということになっても、実際に完成するのは20年後になります。その間どうするのかといえば、3空港の機能分担・連携しかありません。

 ―需要予測についての問題点は。

 佐々木 当時のGDPなどを基にこうした需要予測を立てられたことは否定しませんが、経済は生き物ですから、見直していくべきところは見直すという姿勢が必要です。飛行機自体も小型化になっていくので発着回数はある程度妥当かもしれませんから、14万5,000回という数字は現空港の限界として信憑性はあると思います。しかし、果たして12年に限界に到達するのかどうかは疑問だと思っています。福岡空港も国際線ではホノルル線、オーストラリア線、上海線が廃止されており、状況も変化してきています。

つづく


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